公益情報システム株式会社トップ > ブログ > 【2025】謝礼状とは?書き方や基本マナー・文例集も紹介

【2025】謝礼状とは?書き方や基本マナー・文例集も紹介


2025.09.09

現代ではメールやSNSが主流となり、手紙を書く機会は少なくなっています。そのため、いざ謝礼状を書こうとしても、「正しい書き方がわからない」と悩む人も多いでしょう。

この記事では「謝礼状」について、基本的な意味や役割から書き方・マナー・文例までを詳しくご紹介します。社会人としてのマナーを身につけたい方や、取引先・講師・研究協力者などに謝礼状を送る必要がある方にとっても、参考になる内容です。ぜひ最後までお読みください。

謝礼状とは

謝礼状とは

「謝礼状(しゃれいじょう)」とは、感謝の気持ちを表すために送る手紙のことです。日常的な手紙とは異なり、礼儀や敬語、構成などに一定のルールがあるため、正しい書き方とマナーを押さえることが大切です。

謝礼状は、講演や取材への協力、学会への出席、業務上の支援など、”形式的なやりとりが必要”な場面で使用されます。正式な文書として感謝の気持ちを伝えることが、礼儀とされているからです。

また、謝礼状を通して、相手への敬意を示す意思表示にもなります。ビジネスや教育、医療などの現場では、謝礼状が信頼関係の構築につながるケースも少なくありません。

謝礼状の書き方と基本マナー

謝礼状の書き方では、形式をきちんと押さえることが大切です。ただし、型通りの文章をなぞるだけでは気持ちが伝わりにくくなるため、相手や場面に合わせた自然な言葉遣いや心遣いが大切です。この見出しでは、謝礼状の基本構成や冒頭挨拶、感謝の伝え方、締めの文章の書き方まで詳しく解説します。

謝礼状の基本構成と文章の流れ

謝礼状には一般的に以下のような構成があります。この流れを守ることで、読みやすく失礼のない文面になります。

はじめに「時候の挨拶」から入り、相手に対する敬意と関係性を意識した文言で自然につなげていきます。その後、謝意の対象となる行為を明確に伝え、感謝の気持ちをしっかりと述べます。最後には、相手の今後の健康や活躍を祈る結びの言葉を添えます。
文章全体としては「挨拶 → お礼の理由 → 感謝の言葉 → 締めの挨拶」という順番が基本になります。

謝礼状の冒頭挨拶と時候の挨拶の例

文頭の書き出しは、文章全体の印象を左右します。たとえば、「拝啓」や「謹啓」などの頭語を使い、季節に合わせた挨拶文(時候の挨拶)を添えるのが一般的です。

時候の挨拶は「陽春の候」「残暑厳しき折」「晩秋の候」など、季節の言葉を用いることで、丁寧な雰囲気を出すことができます。ただし、あまりに形式ばかりに頼らず、自分の言葉で相手の立場や状況に配慮した一文を入れると、やや硬い文章にも温かみが生まれます。

謝礼状で感謝を伝える具体的な書き方

謝礼状の本文では、感謝の対象となる具体的な行為をはっきりと述べることが重要です。「先日はご多忙のなか、弊社セミナーにてご講演を賜り、誠にありがとうございました」といったように、日時や内容を明記すると、受け取った側も気持ちが伝わりやすくなります。

単に感謝の言葉を綴るだけではなく、相手の貢献がどのように役立ったのかを伝えることで、より誠実な印象になります。

謝礼状の締めの文章と結びの言葉

謝礼状の最後には、今後の関係を大切にする意思や相手の健康を気遣う一文を添え、末文と結語で締めくくります。

たとえば「末筆ながら貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます」や「ご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします」などがよく使われる表現です。その後に「敬具」「敬白」などの結語を添えることで、全体が整います。

謝礼状の文例集|ビジネス・講演・取材・研究協力で使える例)

謝礼状は形式に則りながらも、相手との関係や状況に応じて内容を柔軟に調整することが求められます。この見出しでは、実際に使える謝礼状の書き方と例文を、主なシーン別に紹介します。場面ごとに文面の雰囲気や敬語の使い方が異なるため、相手の立場や目的に合った文章を意識することが大切です。

講演会の謝礼状文例|講師への感謝を伝える書き方

講師として来ていただいた方に送る謝礼状は、感謝の意を丁寧に伝えつつ、会全体の成功や参加者の反応に触れると良い印象を与えます。

拝啓 秋涼の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
先日はご多忙のなか、弊社主催セミナーにてご講演を賜り、誠にありがとうございました。
貴重なご講話は参加者からも大変好評をいただき、アンケートでも多くの方が「具体的でわかりやすかった」と回答されておりました。
このたびのご協力に深く感謝申し上げ、別便にて謝礼をお送りいたします。ご査収のほどお願い申し上げます。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具

取材協力の謝礼状文例|インタビューへの感謝を伝える書き方

取材やインタビューなどでご協力いただいた方への謝礼状では、取材の目的や成果への感謝とともに、今後の関係性に配慮した文面が求められます。

拝啓 春暖の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
先日は、弊社発行の広報誌取材にご協力を賜り、誠にありがとうございました。
お話しいただいた内容は、社内でも大変参考になる事例として共有され、今後の企画運営においても大きなヒントとなりました。
つきましては、ささやかではございますが謝礼を同封いたしましたので、どうぞご笑納くださいませ。
今後ともご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
敬具

調査・研究協力の謝礼状文例|学術協力への感謝を伝える書き方

学術調査やアンケートへの回答などに対して送る謝礼状では、相手が時間と労力をかけてくれた点への理解と、それが研究にどのように役立ったかを示すことが重要です。

拝啓 新緑の候、貴機関ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
このたびは、私どもの研究活動にご協力いただき、心より御礼申し上げます。
ご回答いただきました内容は、今後の調査分析において非常に貴重な資料となります。
ご多用のところご対応いただきましたことに、深く感謝申し上げます。
なお、謝礼として〇〇をお送りさせていただきましたので、どうぞお納めくださいませ。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
敬具

謝礼状は一見形式的にみえますが、相手に合わせた表現や配慮が求められます。定型文をベースにしながらも、自分の言葉で少しずつ調整を加えることで、相手に伝わる「誠意ある謝意」を表現することができます。

謝礼状を送る手順と必要な準備物

謝礼状を送る手順と必要な準備物|タイミング・封筒・同封物のマナー

謝礼状を送る際には、文面の準備だけでなく、送付のタイミングや封筒の種類、同封する謝礼の扱いなどにも注意が必要です。形式を踏まえて丁寧に送ることで、相手に与える印象は格段に良くなります。この章では、謝礼状を送るまでの流れと必要な準備物を具体的に紹介します。

謝礼状を送る流れ

謝礼状は以下のような手順で準備・送付を行います。
謝礼状を送るタイミングは非常に重要です。謝意の対象となる行為が終わったあと、できるだけ早く文面を準備します。目安としては3日以内に送るのが望ましいとされています。講演や取材、協力作業などがあった場合、その翌日には文面作成に取りかかるのが理想です。

文面が完成したら、清潔な便箋と封筒に手書きまたは印刷で記載し、謝礼の品や金銭とともに封入します。金銭を同封する場合は、現金書留や現金封筒の使用が必要です。相手に失礼がないよう、郵送方法や宛名の記載にも注意しましょう。
必要に応じて控えを残すか、送付記録を保存しておくと後日トラブルが起きた際にも安心です。

謝礼状に必要なもの|便箋・封筒・謝礼品の選び方

謝礼状に必要なものは大きく分けて「便箋」「封筒」「謝礼品・謝礼金」の3つです。それぞれの選び方と扱い方を誤ると失礼にあたるため、注意が必要です。

①便箋

基本的には白地の縦書き便箋を使用し、文字数に応じて2〜3枚におさめるのが一般的です。派手な柄やカラー用紙は避け、落ち着いた印象の文具を選びます。

②封筒

便箋に対してやや大きめの白い和封筒、または長形封筒を用います。縦書きが主流で、宛名や差出人名を丁寧に記入します。

③謝礼金または謝礼品

現金を送る場合は、必ず現金書留用封筒を利用し、中には奉書紙または小さな金封で包みます。商品券などを送る場合も、裸で封入せず、必ず一言添えて包んだ状態で同封します。

謝礼状を送る際の注意点とマナー

謝礼状を送る際の注意点とマナー

謝礼状は感謝の気持ちを伝えるための大切な文書です。形式や言葉遣いを誤ると、相手に不快感を与えたり、相手の受け取り方によって誤解を招く可能性があります。ここでは、謝礼状を送る際の注意点とマナーを解説します。細部まで丁寧に配慮することで、相手との信頼関係を深めることができます。

謝礼状の敬語と文体の選び方

謝礼状では、敬語や文体の選び方が重要で、過度に硬すぎる表現や逆に砕けた言い回しは避ける必要があります。たとえば、相手が目上の立場や外部の方である場合には、「謹啓」「敬具」といった格式ある頭語・結語を使用するのが一般的です。

また、敬語の使い方にも注意が必要です。二重敬語になっていないか、自分の行動を尊敬語で書いてしまっていないかなど、細かな点まで見直してから送付するようにしましょう。

謝礼金を同封する際のマナー

謝礼状に謝礼金を同封する場合のマナーとして、、金額を文面で明記しないのが基本です。お金に関する表現は控えめにし、「別便にて」「同封いたしました品」などと記すことで、相手に気を使わせない書き方ができます。

また、謝礼金を送ること自体が不要・不適切な場合もあります。大学の教員や公的機関に所属する方に対して、無許可で金銭を送ることが職務規定に抵触するケースもあるため、事前の確認が望ましいです。

謝礼状を送るタイミング

謝礼状を送るタイミングは非常に重要です。なるべく「同じ週のうち」に届くよう送付手続きを行うのが理想です。
遅れてしまうと感謝の気持ちが薄れてしまうだけでなく、ビジネスマナーとしての印象を損ねてしまう可能性もあります。

謝礼状で避けたい誤字脱字・宛名の間違い

謝礼状で最も避けたいのは誤字脱字や宛名の間違いです。敬称の付け忘れや、旧漢字を新字体に変えてしまうなど、些細な違いでも相手にとっては失礼と受け取られることがあります。
書き終えたら必ず見直し、正式な肩書き・表記が使用されているか、文章に不自然な点がないか確認することが大切です。社名や団体名の間違いも要注意です。

謝礼状は手書きと印刷どちらが良い?

謝礼状は手書きと印刷のどちらでも送れますが、状況によって印象が変わります。ビジネスの現場では印刷された謝礼状も一般的に使われていますが、個人間や小規模な関係性の場合には、丁寧な手書きの文面がより誠意を伝えることができます。手書きが必須ではありませんが、文面から「心を込めた気持ち」が伝わるよう意識することが重要です。

謝礼状についてまとめ

この記事では、謝礼状の基本的な意味や役割から、書き方・文例・送付手順・注意点まで幅広く解説してきました。謝礼状は単なる「感謝の手紙」ではなく、相手との信頼関係を築き、次のつながりを生むきっかけになる重要な文書です。

執筆の際は、文章の構成や敬語、書き出しの挨拶、締めの表現など、基本的な型を押さえることが大切です。決まりきった言い回しばかりではなく、相手との関係性や状況に応じて自分の言葉を自然に織り交ぜることで、より気持ちのこもった文面になります。

謝礼状は、誰もが日常的に書くものではありませんが、いざという場面で適切に対応できるかどうかで、その人の印象を大きく左右します。形式だけでなく心を込めて丁寧に送ることが、相手に「誠実な人」という印象を与えるきっかけにもなるでしょう。