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【2025】公益法人の経理とは?業務内容やリスク・課題も紹介


2026.01.06

公益社団法人や公益財団法人にとって、経理業務は単なる帳簿付け以上の重要な意味を持っています。一般企業とは異なる特有の会計ルールや社会に対する高い説明責任が求められるためです。

特に公益性の維持と法令遵守(コンプライアンス)を担保するうえで、経理体制の適切さが非常に重要です。本記事では公益法人の経理が果たす役割、年間業務の流れ、そして課題解決のための具体的なコツを解説します。

公益法人の経理とは?

公益法人の経理業務は、一般企業の経理とは根本的に目的が異なります。活動の透明性を確保し、法人の存在意義を数値で証明することが求められます。

公益法人の経理が果たす役割

公益法人の経理が果たす役割は、以下のとおりです。

  • 適正な財務情報の作成
  • 行政庁提出書類の基礎データ作成
  • 社会に対する説明責任の遂行

公益法人の経理は、事業活動を数値で記録・管理し、理事会や評議員会への報告を通じて法人の健全な運営を支えます。経理の透明性を高めることは、法人の信頼性を向上させることにつながります。

公益法人の経理と企業会計や経理との違い

公益法人の経理と一般企業の経理の主な違いは、以下の点です。

  • 準拠する会計基準
  • 会計区分の有無
  • 財務諸表の種類

最大の違いは公益法人会計基準に準拠し、「区分経理」が義務付けられている点です。
公益目的事業会計・収益事業等会計・法人会計の三つに区分して収支を管理しなければなりません。
また、企業会計の「損益計算書」に相当する「活動計算書」(旧「正味財産増減計算書」)を作成します。
このため、共通経費の「配賦計算」など、一般企業にはない複雑な処理が必要です。

公益法人経理で押さえておきたいガバナンス

公益法人経理で特に重要な点は、以下の通りです。

  • 認定法に基づくガバナンスの維持
  • 公益性の数値証明
  • 財務三基準のクリア

公益法人の経理は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(認定法)に基づく高いガバナンスを支えます。
公益性の維持を示す「財務三基準」(収支相償、公益目的事業比率、遊休財産額の制限)をクリアしていることを決算書と連動する各種別表で明確に示す必要があります。
経理のミスは、認定取消につながるリスクに直結すると言えるのです。

公益法人の経理業務の内容

公益法人の経理業務の内容

経理業務を円滑に進めるためには、日々の処理から決算、報告に至るまでの年間を通じた計画と適切な処理が求められます。

日次・月次業務

公益法人の経理における日次・月次業務の主な内容は以下のとおりです。

  • 証憑整理・仕訳・支払いなど
  • 試算表作成と収支状況の確認
  • 資金繰り表の作成

日々の仕訳を行う際には、どの会計区分に属する費用・収益であるかを意識して入力することが非常に重要です。月次で予算実績比較を行い、事業の進捗状況をフィードバックすることは、年度末の大きなズレを防ぐために欠かせません。

決算業務と理事会・評議員会への報告

公益法人の決算業務の主な工程は以下になります。

  • 決算整理仕訳と費用配賦計算
  • 計算書類と財務三基準のシミュレーション
  • 監査対応
  • 承認と定期提出書類の提出

決算作業では、共通費用の配賦計算を合理的な基準に基づいて実施し、計算書類を確定させます。作成した決算書から各種別表の数値をシミュレーションし、財務三基準をクリアしているか確認します。その後、監事や会計監査人による監査、理事会・評議員会での承認を経て、行政庁へ定期提出書類(決算日後3ヶ月以内が原則)を提出する流れです。

予算の編成や管理・資金繰り

予算・資金繰り業務では以下のポイントが重要です。

  • 公益目的事業の活動計画との連携
  • 予算実績の定期的な比較
  • 資金計画に基づく資金繰りの管理

経理は、過去の実績に基づいて次年度の予算編成を主導し、事業ごとの予算管理を行います。
予算策定にあたっては、公益目的事業の活動計画と密接に連携させ、公益目的事業比率を維持できるよう配慮が必要です。

公益法人の経理業務における課題やリスク

公益法人の経理は専門性の高さから、業務の非効率化や法令違反につながる潜在的なリスクを抱えやすい傾向があります。

紙ベースやExcelへの依存

紙やExcelへの依存がもたらす課題とリスクはいくつか挙げられます。

  • 計算ミスの発生リスク増大
  • 監査対応の非効率化
  • 認定法に基づく計算の誤謬

費用配賦計算や各種別表の作成をExcelの手計算で行っている場合、計算ミスや入力ミスが発生しやすく、認定法に基づく計算が誤るリスクが大きくなります。

経理業務の属人化

経理業務の属人化がもたらすリスクは以下のとおりです。

  • 引継ぎの困難化
  • 業務停滞のリスク
  • ガバナンス上の問題

公益法人会計は専門性が高いため、独自のルールやExcelで業務を行うことで経理業務が属人化しやすいものです。
担当者が交代した場合、引継ぎが非常に困難となり、決算作業がストップする深刻なリスクを抱えます。

公益法人の経理業務は多くのミスが起こりやすい

経理業務で起こりやすい主なミスも把握しておきましょう。

  • 会計区分適用ミス
  • 財務三基準のチェックミス
  • 税務申告ミス

複雑な会計ルールと手作業により、会計区分適用ミスや財務三基準をクリアするための決算調整のミスが頻繁に発生しやすい傾向があり、法人税の追徴や認定取消につながる可能性があります。

公益法人の経理業務を正確に進めるポイント

属人化やヒューマンエラーを防ぎ、経理業務を円滑に進めるためには、体制の整備とツールの導入を組み合わせて進めることが効果的です。日々の処理だけでなく、チェックの仕組みや手順書、システム環境まで含めて総合的に見直していくことが求められます。

経理業務の体制を見直す

経理体制を見直す際には、まず「複数人によるチェック体制をどう構築するか」が重要なテーマです。起票・承認・支払といったプロセスを一人で完結させず、最低でも2重チェックが働くような流れに組み替えることで、入力ミスや判断ミスを早期に発見しやすくなります。

また、内部だけで完結させず、公益法人会計に詳しい税理士などの外部専門家と定期的に連携し、客観的な視点で確認してもらうことも有効です。担当者が一人しかいない場合であっても、外部専門家によるレビューを組み込むことで、事実上「複数人によるチェック体制」に近い状態をつくれます。

経理業務を標準化するマニュアルやフローを整備する

経理業務の質を安定させるためには、仕訳のルールや配賦計算の基準、月次決算の進め方などを文章化し、誰が担当しても同じ手順で進められる状態をつくることが欠かせません。属人化を防ぐという観点からも、担当者の頭の中にあるやり方を「マニュアル」や「業務フロー」として見える化し、更新可能な形で残しておくことが重要です。

こうした標準化が進むと引継ぎ時の負担が軽くなるだけでなく、監査対応や行政庁への説明もしやすくなり、業務品質の維持・向上にもつながります。

公益法人の経理や会計に特化したソフトを導入する

体制やマニュアルの整備と並んで効果が大きいのが、公益法人向けに設計された会計ソフトの導入です。
公益法人会計基準と認定法の要件に対応したシステムを使うことで、複雑な区分経理や費用配賦計算、財務三基準のチェックといった処理を自動化でき、手作業によるミスを大幅に減らせるでしょう。
さらに、法令改正への対応もシステム側で行われるため、担当者の負担は一段と軽くなります。

公益法人の経理には「WEBバランスマン会計」がおすすめ

公益法人の経理には「WEBバランスマン会計」がおすすめ

公益法人の経理を効率的に進めたい場合は、WEBバランスマン会計の導入がおすすめです。
WEBバランスマン会計は、公益法人のために開発されたシステムであり、簿記の知識がない場合でも入力できる設計になっています。

決算時の手計算や調整作業を大幅に削減し、決算書作成とあわせて財務三基準の判定に必要な数値を含む帳票の作成をシステムでサポートできる点が大きなメリットです。

公益法人の経理処理で課題がある際は、WEBバランスマン会計の導入を検討してみてください。正確かつ迅速な決算を実現し、経理担当者の負担を大幅に軽減できるでしょう。

まとめ

公益法人の経理は、法令と社会への説明責任を果たすガバナンスの要です。その複雑さから紙やExcelに依存し、業務が属人化するリスクがあります。

経理体制の改善、マニュアル整備も大切ですが、最終的には公益法人に特化した会計ソフトを導入することが、継続的な正確性と効率性を担保するポイントです。WEBバランスマン会計のような公益法人に特化した会計ソフトを活用することで、スムーズに経理業務を進められるでしょう。