公益財団法人を設立・運営するにあたり、給与やボーナスの取り扱いについて、一般的な企業との違いが分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、公益財団法人におけるボーナス支給の可否や、基準を定める際の注意点、会計処理の考え方について分かりやすく解説します。
公益財団法人でボーナスは支給できる?

公益財団法人は、役員や職員へボーナスを支給することが可能です。ボーナスは一般的に「賞与」とも呼ばれています。
公益財団法人の中にも技術職や専門職があり、ボーナスによって優秀な専門人材を採用しやすくなります。また、月額だけの給与水準だけでは不足感のある給与のボリュームアップなどを図ることが可能です。
公益財団法人のボーナス支給で注意すべきポイント
公益財団法人が役員や職員にボーナス(賞与)を支給する場合、一般企業とは異なる点に注意が必要です。特に、役員と一般職員では適用されるルールが大きく異なるため、区別して基準を設けることが重要です。
公益財団法人の役員に対するボーナスは、「役員報酬等」の一部として扱われます。役員報酬等については、不当に高額とならないことが公益認定の要件とされており、法人が自由裁量で金額を決められるものではありません。
内閣府が示す運用指針では、役員報酬等について支給額の算定根拠が第三者にも合理的に説明できることが重要とされています。具体的には、職務内容、勤務形態、法人規模などを踏まえた合理的な基準を設けることが望ましいとされています。
一方、一般職員のボーナスについては、役員ほど厳格な法令上の制限は設けられていません。これは、職員が法人の意思決定権限を持たず、不当な利益供与のリスクが比較的低いためです。
ただし、公益財団法人である以上、社会的な信頼性や説明責任が求められる点は変わりません。そのため、高額になりすぎないことや、支給の有無や算定方法を就業規則や給与規程等で明確にするなど対応するとよいでしょう。
公益財団法人は非営利法人のため、ボーナスはあくまで労働に対する対価(給与の一部)として支給されるものであり、法人の利益や剰余を分配する手段として用いることはできません。
公益財団法人のボーナスの相場
法人規模や地域・職種・財源で差が大きいため、公益財団法人により、ボーナスは異なります。中には、月収の約3〜4ヶ月分を年間のボーナスとしている公益財団法人もあります。
公益財団法人では、営利企業のように業績連動で大きく変動するボーナス制度を採用するケースは少なく、あらかじめ定めた支給基準を継続的に運用することが一般的です。そのため、役員や一般職員にとっては、収入の見通しが立てやすく、安定した処遇につながるというメリットがあります。
法人として根拠のある支給基準を設定することが重要です。
参考:転職Hacks「公務員との違い・就職のメリット 公益社団法人とは」
公益財団法人のボーナスの会計・税務処理
公益財団法人におけるボーナスは、法人が採用している勘定科目体系に応じて、「給料手当」に含めて処理する方法や、「賞与」として独立した勘定科目で処理する方法があります。
「給料手当」は、毎月支給する給与と同じ区分で用いられることが多く、「給与」「給与手当」などの名称で設定されている場合もあります。賞与を給料手当に含めるか、別科目として管理するかについては、公益法人会計基準上で厳密な指定はなく、法人の会計方針に基づいて継続的に処理することが重要とされています。
一般職員に支給するボーナスは、通常「給料手当」や「賞与」として人件費に計上します。一方、役員に支給するボーナスについては、「役員等報酬」として区分表示することが、公益法人会計基準上、実務的に望ましい取扱いとされています。
決算日時点で支給額が確定しており、実際の支払いが翌期となるボーナスについては、未払費用として処理します。
公益法人向けにおすすめの会計ソフト

公益法人は特別な会計基準が法令で決められているため、会計・税務処理については公益法人向けの会計ソフトを使用することがおすすめです。ここからは、おすすめの会計ソフトを紹介します。
公益情報システム株式会社「WEBバランスマン会計」
公益情報システム株式会社の「WEBバランスマン会計」は、公益法人向けの会計ソフトです。公益法人が使いやすい勘定項目が用意されており、「役員報酬支出」や「給与手当支出」なども予算書出力機能から使うことができます。
帳票発行時には効率的に入力データを活用して計算や書類作成が可能です。16/20年会計の旧基準の書類出力などもできます。公益法人向けにおすすめの会計ソフトです。
WorkVision「公益法人会計システム」
WorkVisionの「公益法人会計システム」は、改正した会計基準に対応した会計ソフトです。ボーナスなどの予算管理や経理のしやすい多彩な仕訳機能があります。
また、クラウド対応や電子帳簿保存のための外部の電子承認システムなども備えているほか、国税関係帳簿を作成する要件も備えており、公益財団法人の会計にもおすすめのソフトです。
公益財団法人のボーナスについてよくある質問
ここでは公益財団法人のボーナスに関連したよくある質問に回答します。
Q.公益財団法人はボーナス支給が必須ですか?
公益財団法人には、ボーナスを支給する法的な義務はなく、必須ではありません。制度上はボーナスを支給することが可能ですが、支給するかどうかは各公益財団法人の方針によって決めることができます。役員・一般職員ともに、ボーナスを支給しない制度とすることも可能であり、この点は一般的な企業と同様に、法人側の判断に委ねられています。
Q.公益財団法人のボーナスは一般的な企業と同じ仕組みですか?
公益財団法人のボーナス制度は、一般的な企業と共通する部分もありますが、役員に関する取り扱いには大きな違いがあります。公益財団法人の役員報酬については、あらかじめ役員報酬規程を整備し、その内容が内閣府令で定められたルールに沿っていることが求められます。一方、一般職員のボーナスについては、役員ほど厳格な法令上の制限は設けられていません。就業規則や給与規程など、所定の手続きを踏めば、支給の有無や基準を定めることが可能です。
Q.公益財団法人はボーナスを出したほうがよいですか?
公益財団法人がボーナスを支給するかどうかは、法人の財務状況や事業内容などを踏まえ、個別に判断する必要があります。一方で、公益財団法人は営利企業のように高い基本給を提示しにくいケースも多く、役員や一般職員の人材確保に課題を感じることも少なくありません。月額給与だけでなく、ボーナスを含めた年収水準全体で処遇を検討することで、安定した人材確保につながる場合があります。
公益財団法人のボーナスについてまとめ
公益財団法人では、役員や一般職員に対してボーナスを支給することが可能です。ただし、公益法人である以上、必要以上に高額なボーナスを設定することは認められていません。ボーナスを支給する場合は、公益法人の認定基準に沿って、あらかじめ支給基準を明確化する必要があります。
また、会計処理においては、公益法人会計基準に基づき、「給料手当」や「役員等報酬」などの勘定科目を用いて処理することで、実務を効率的に進めることができます。公益財団法人では、定めた基準に従って適切にボーナスを支給することが重要です。
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