公益法人の経理は、区分経理や決算書の様式など、企業会計とは違う要件が出やすい分野です。無料で始められるソフトやテンプレートもありますが、会計基準への対応範囲やサポートの有無で使い勝手が変わります。
本記事では、無料で利用できる公益法人の会計ソフトや選び方について解説します。
公益法人会計ソフトとは?

公益法人会計ソフトは、公益社団法人・公益財団法人が公益法人会計基準に沿って、仕訳業務や決算書類などに対応しているツールです。新会計基準では、貸借対照表・活動計算書・キャッシュ・フロー計算書に加え、注記・附属明細書・財産目録の作成が求められます。手作業(Excel等)だと転記や整合確認の負担が増えやすく、区分別の集計や内訳作成でミスも起こりやすいです。
一方、会計ソフトであれば、科目体系や区分管理、帳票出力を通じて作業を正確に進められるでしょう。また、令和6年会計基準は令和7年(2025年)4月1日以降に開始する事業年度から適用されています。令和10年(2028年)4月1日前に開始する事業年度までは従前基準を継続適用できる経過措置があります。
公益法人会計ソフトはフリー(無料)で使える?
公益法人会計に対応したソフトを、無料で継続利用できるケースは多くありません。
基準改正へのアップデートやサポート、セキュリティ対応が必要になり、利用料が発生しやすいためです。一方で、次のように無料で始める方法はあります。
- 期間限定の無料体験(トライアル)を使う
- 無料配布のExcelテンプレートで帳票作成から着手する
- フリーソフトとして公開されている小規模向けソフトを試す(更新状況の確認が前提)
なお、一般向けクラウド会計ソフトは登録が無料でも、公益法人会計基準の決算書に対応しない場合があります。たとえば、freeeは「公益法人会計基準対応の決算書には非対応」と明記しています。目的が公益法人会計基準での決算書作成なら、対応基準と出力帳票を先に確認することがおすすめです。
フリー(無料)の公益法人会計ソフトのメリット・デメリット

無料で始められる会計ソフトは導入ハードルが低いですが、運用を続ける上での注意点があります。ここからは、フリー(無料)の公益法人会計ソフトのメリット・デメリットを紹介します。
フリー(無料)の公益法人会計ソフトのメリット
フリー(無料)の公益法人会計ソフトのメリットは次の通りです。
- 初期コストを抑えて操作感や帳票を検証できる
- 取引量が少ない時期は、テンプレート運用でも着手しやすい
- 有料版の比較材料(必要な区分・帳票・権限など)が整理しやすい
これらは今の業務量と将来増えそうな作業を見比べるほど効果が分かりやすくなります。
試用の段階で、区分の切り方や帳票の出力範囲まで確認しておくとスムーズに判断できるでしょう。
フリー(無料)の公益法人会計ソフトのデメリット
無料運用でつまずきやすい点やデメリットを紹介します。
特に決算期や基準改正のタイミングでは、帳票や注記の差が表面化しやすくなります。
- 基準改正に追随できず帳票や注記の作り直しが必要になることがある
- 無料提供ではサポートが限定されやすい
- ExcelやPC管理ではバックアップやアクセス権など運用面の責任が重くなる
上記が負担になりそうな場合は、サポートやアップデートが用意される専用ソフトも含めて検討すると、決算時の手戻りを減らしやすくなります。
公益法人会計がフリー(無料)で始められるソフト
ここからは、公益法人の会計を無料で始められるソフトを紹介します。
PCAクラウド 公益法人会計 dx
PCAは体験版として2ヶ月間無償で利用が可能で、公益法人会計向け製品も体験対象に含めています。
決算書出力や運用イメージを短期間で確認したい場合に選びやすいでしょう。
公益大臣NX(大臣NXクラウドの無償体験)
応研株式会社は大臣NXクラウドの体験版について、環境の提供日から1か月間無料で始められます。
画面や入力フローを試してから導入判断をしたい法人に向きます。
フリーソフト・Excelテンプレート
Vectorなどでフリーソフトとして公益法人会計向けソフトが紹介されている場合があります。
加えて、活動計算書や貸借対照表のExcelテンプレートを無料配布するサイトも見つかります。
いずれも費用面は魅力ですが、新会計基準への対応状況や注記・内訳の整合確認をどう担保するかが課題になりやすい点に注意が必要です。
公益法人会計にはWEBバランスマン会計がおすすめ
公益法人会計を継続運用する前提なら、公益法人向けの会計ソフトである「WEBバランスマン会計」がおすすめです。会計基準改正への対応、区分管理、帳票出力、権限設定、セキュリティを一体で備えた仕様になっています。
伺書入力を含む入力機能、平成16年・平成20年の両基準での決算書出力、損益ベース/資金ベースを相互に出力できる予算管理、決算帳票の出力、担当者別の権限設定など豊富な機能が特徴です。
導入前に自法人の区分や帳票要件を整理し、運用開始時期とあわせて相談すると進めやすくなります。
フリー(無料)の公益法人会計ソフトに関するよくある質問
ここでは、フリー(無料)の公益法人会計ソフトに関するよくある質問に回答していきます。
Q. 無料体験だけで決算まで完結できますか?
体験期間内に帳票出力まで試せる場合はあります。ただし、期首残高や科目・区分の整備に時間がかかるため、決算期直前の試用では検証が不足しやすくなります。
Q. Excelテンプレート運用でも会計基準に対応できますか?
テンプレートの様式が合っていれば帳票の形は作れます。一方で、区分別集計や注記・内訳の整合確認は手作業になりやすく、チェック体制が欠かせません。
Q. 一般向け会計ソフトを流用しても問題ありませんか?
公益法人会計基準の決算書に非対応のケースがあります。必要な帳票を揃える目的なら、製品の対応範囲を確認したうえで検討するのが安全です。
フリー(無料)の公益法人会計ソフトについてまとめ
公益法人会計ソフトを無料で始める方法は、無料体験版、Excelテンプレート、フリーソフトなど複数あります。ただし、公益法人会計基準への対応範囲や、制度改正への追随、サポート・セキュリティの差が影響しやすくなります。
新会計基準の適用時期と経過措置も踏まえ、必要な帳票(貸借対照表・活動計算書・注記等)を安定して作成できるか、運用体制に合うかを基準に選ぶことが大切です。WEBバランスマン会計など、公益法人の会計に強みのあるソフトを中心に選んでみてください。
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