小規模法人にとって会計業務は避けられない業務の1つです。仕訳や決算処理を手作業で行うと時間がかかり、数字の入力ミスも起こりやすくなります。そのため、法人向けの会計ソフトを導入するケースが増えています。
この記事では、小規模法人が会計ソフトを選ぶときのポイント、おすすめの製品について解説します。
「WEBバランスマン」は、公益法人特有の会計基準に準拠したクラウド会計ソフトです。
複雑な事業別管理や収支計算書の作成もスムーズに行え、法令改正にも自動で対応するため、専門性の高い会計業務を効率化したい団体におすすめです。
小規模法人向け会計ソフトとは

小規模法人向け会計ソフトとは、従業員数が少なく、経理担当が少ない法人でも会計業務を進められるように設計されたソフトウェアのことです。
この「小規模法人」とは、法律で定めている事業者の要件を「5人以下(工業)」や「20人以下(商業)」と定めたものを指します。この基準内の企業は小規模法人の扱いです。
小規模法人は従業員の人数が少なく、会計のみの業務担当がいない法人もあります。そのため、小規模法人向け会計ソフトは、少人数の従業員で利用しやすい会計ソフトを意味します。
主な機能は帳簿の作成、仕訳入力、請求書や領収書の発行、経費精算、決算書の作成などです。
特に少人数向けの機能やサービスが充実しており、中小や大規模事業者ほど多機能な必要がなく、シンプルで使いやすいケースも少なくありません。
小規模法人が会計ソフトを使うメリット・デメリット

小規模法人が会計ソフトを導入する場合に、メリット・デメリットがあります。小規模法人は以下を踏まえて導入の有無を検討することが大事です。
メリット
小規模法人向けの会計ソフトを使うメリットは、帳簿作成や仕訳入力の煩雑な作業を効率化できることです。機能を活用すれば入力作業の時間を大きく削減できます。
特に、経理処理は会計や電子帳簿等の専門的な法律知識も知っておく必要があるため、人材が限られてきます。しかし、経理の知識が少ない人、専任ではない人でも会計ソフトで法令改正などがサポートされていれば、入力や作成作業で自動的に法律にあった帳簿などが作成できます。
また、余計な機能がなく社員への学習・研修が少なく済むこともメリットの1つです。
デメリット
小規模法人が会計ソフトのデメリットは、導入費用や月額料金が発生することです。特に企業内でサーバーを構築して独自カスタマイズや運用をする場合は初期費用が大きな負担となります。クラウドの場合でも月額・年額課金制で継続的に費用が発生します。
ただし、クラウド系の会計ソフトは、人数の大小によって月額費用の増減が変わることがあります。そのため、小規模法人は人数が少なく費用は抑えやすいことです。
小規模法人向け会計ソフトを選ぶときのポイント

小規模法人が会計ソフトを選ぶときは、次のポイントを押さえることが大事です。
価格
1つ目のポイントは、小規模法人の会計ソフトの価格(導入費用・月額費用など)をチェックすることです。自社法人の予算の範囲で選ぶことを前提に、費用が高くなりすぎず、機能やサービス性との兼ね合いをとれる価格選択をします。
よくあるのは、無駄な機能を多く搭載した大規模向けの会計ソフトを導入して失敗するケースです。機能や制限人数が多い会計ソフトは、費用が高く設定されています。そのため、小規模法人では、取引件数や利用人数に応じて料金が変わるか調べて、料金表がわかりにくい・ない場合は事前に必要な範囲を見積もることです。
操作性・使いやすさ
2つ目のポイントは、法人の経営者や経理担当が実際に使って操作性に優れたものや使いやすいものを選ぶことです。小規模法人では経理担当が少ない、専任がいないなどするため、その人が直感的に操作できること、使いやすいことが必要となります。
会計ソフト選びで導入後に使いにくいという声が出て、使われなくなったり、逆に以前の手動入力・計算の方法よりも操作に時間がかかる、などもあるため事前に社内の声をリサーチすることが必要です。
機能
3つ目のポイントは、会計ソフトに搭載されている機能です。小規模法人で利用する会計ソフトは、必要な機能が揃っているかを確認することが欠かせません。帳簿作成や仕訳入力、決算書の作成といった基本的な機能に加えて、その法人が必要とする請求書や領収書の作成、経費精算なども追加で利用できると便利です。
ただし、必要な機能は法人の業種や業務内容によって変わります。そのため、上の機能を網羅した会計ソフトを探すのではなく、あくまでも自社の求める機能をピックアップして網羅性の高いものを選びます。
クラウドの有無
4つ目のポイントは、クラウドの会計ソフト対応の有無です。ソフトによってクラウドのソフトやオンプレミス(インストール型など)のみ、オンプレミスとの選択ができるクラウドなどがあります。
クラウドは最新機能へのアップデートがしやすく、法令対応などにもソフトの買い直しや手動更新などが発生しません。そのため、法改正への対応ができます。
また、クラウド型の会計ソフトは、インターネットがあれば場所を選ばず利用できる点が特徴です。そのため、拠点が複数ある場合でも同じ会計ソフトを同時に別の場所や外出先でも共有して使うことができます。
そのため、経理担当など人材の少ない、専任がいない小規模事業者は基本的に法改正後の最新のルールに対応できるクラウド型の選択がおすすめです。
サポートの内容
5つ目のポイントは、会計ソフトを導入する前後のサポート内容の確認です。一般的には、電話やメール、チャットで質問できるサービスがあります。しかし、電話対応がなくメールのみ、チャットボットが基本など、方針が製品によって異なります。
例えば、操作方法がわからなくなったとき、すぐに問い合わせできる環境があると業務が滞りません。メールでは操作をリアルタイムで聞けないため、問題の解決に時間がかかります。
特に会計ソフトに不慣れな小規模法人が導入する場合は電話対応があるソフトを選ぶことです。
小規模法人向け会計ソフト3選

ここでは、小規模法人向け会計ソフトを厳選して紹介します。
公益法人や小規模向けの「WEBバランスマン」
「WEBバランスマン」は、公益法人向けに開発され、一般の小規模法人でも使えるクラウド型の会計ソフトです。
複式簿記に詳しくなくても利用できる入力画面を備えており、小規模法人の経理担当でも日々の取引を簡単に記録できます。帳簿や決算書の作成に対応しており、公益法人会計に必要な帳票を出力可能です。
年額6,600円と価格は高くなく、公益法人の会計基準といった機能(補助金管理や公益法人独自の仕訳処理など)もあります。そのため、この手の機能を必要とする法人が選びやすいことです。それでいて通常の会計処理も可能です。
電話やメールでの問い合わせに対応するなどサポート体制も整っており、操作に不安がある小規模法人でも導入しやすい特徴があります。
小規模法人向けを選べる「freee 会計」
「freee 会計」は、クラウド型で操作性に優れた会計ソフトです。月額2,000円台から利用できるため小規模でも選びやすいといえます。
請求書・見積書作成、経費精算、レポート機能を始めとして、請求書などを含む仕訳を自動化することが可能です。
また、5,000以上の金融機関やサービスとも自動的に連携ができます。サポートはチャットが全プラン共通で利用可能ですが、電話はプランが限られるため注意が必要です。
プランで小規模向けを調整できる「マネーフォワード クラウド会計」
「マネーフォワード クラウド会計」は、金融機関との連携に強みを持つクラウド型会計ソフトです。法人向けスモールビジネスプランが月額3,980円となっており、費用負担を抑えられます。
また、小規模法人でも導入が簡単で、操作が分かりやすく、簿記初心者でも利用が可能です。最低限の会計帳簿作成が中心で、仕訳入力や試算表などの基本機能のみとなり、複雑な分析機能はほとんどありません。サポートはメールですがチャットヘルプも使えます。
小規模法人向け会計ソフトのまとめ
小規模法人にとって会計ソフトは、少ない人材でも経理業務を効率的に進めるための便利なツールです。しかし、中・大規模法人と同じソフトでは機能が多く費用も高めになるため、小規模法人にあった会計ソフトを選ぶことが必要です。今回紹介したポイントを押えて、自社にあった会計ソフトを選びましょう。