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電子帳簿保存法に対応した電子契約とは?


2023.12.28

電子帳簿保存法は、改正に伴って条件の緩和や禁止事項の追加など内容が大幅に変更されています。昨今用いられることの多い「電子契約」は、従来の書面によるやり取りに比べてメリットが多い反面、注意すべき点もあり正しく理解を深めておかなくてはいけません。

今回は、電子契約の必要性について解説をするとともに、基本的な流れや注意点について説明していきます。

電子帳簿保存法における電子契約の必要性は?

電子帳簿保存法の改正に伴って電子契約が必要とされるようになった理由の一つに、「データ保存の義務化」が挙げられます。法律が改正される以前は、電子取引で行われた契約はデータだけでなくプリントアウトして紙として保存する企業も多かったかもしれません。これは、契約後に改ざんなどの不正行為を防ぐための証明書として紙の書面に残しておくというのが主な理由です。しかし、法改正によって2022年以降に行われた電子取引では紙に出力して保存することが認められていないため、契約後にプリントアウトすることは出来なくなりました。

一見するとデメリットにも感じられますが、それまで人の手によって行われていた無駄な作業を省くことで、人手不足やコスト削減が実現できるかもしれません。また、タイムスタンプによる刻印でシステム上で不正防止などの対処もできるので、セキュリティの面でもマイナスになることはないでしょう。

さらに、電子帳簿保存法の改正後は、自由に改ざんできないシステムやサービスに限り、タイムスタンプは必須ではなくなるといった条件の緩和も追加されています。ビジネスにおけるデジタル化に対応するため、企業側に経理や事務作業の見直しを迫られていることも電子契約が必要とされ始めている理由の一つです。

電子帳簿保存法に基づく契約の流れ

電子契約にはあらかじめ決められている手順があります。手順を間違えると締結後にトラブルが起きることもあるので正しく理解しなくてはいけません。電子帳簿保存法に基づく契約の流れは、主に下記のようなものが挙げられます。

契約書の作成

電子契約を交わすうえで、最初に行う作業が書類の作成です。契約書の作成方法は、大きく分けて紙と電子媒体の2種類あります。古くから利用されている紙媒体による契約書の作成は、パソコンやソフトウェアなどの専門の知識が無い人でも作れるというメリットがあります。

ただし、完成後に改めてパソコンに取り込む作業が必要になるため、手間と時間が掛かるのは否めません。例えば、WordやPDFなどの電子媒体であれば作成後にすぐに次の行程に移ることができますが、操作や知識を持った人でないと難しいというデメリットもあるかもしれません。

契約書のアップロードと送信

契約書が完成したら、次に行うのが取引先に送信するためのアップロードです。アドレスの入力ミスなどで無関係の企業に送ってしまうなどのミスをしないように、打ち込み完了後の確認作業は決して忘れてはいけません。アドレスの間違いや契約内容に問題が無ければ相手に送信します。

頻繁に取引をする企業の場合、事前にアドレス帳に登録しておけば送信ミスが起きることもなくスムーズなやり取りが可能でしょう。データでの契約では、改ざんなどの違法行為を防ぐために紙の書類に捺印するのと同じような意味を持つ「タイムスタンプ」の付与が必須となります。タイムスタンプは送信と同時にシステムが自動で行うので、発信する側が特別な作業をする必要はありません。

確認後の契約締結

送信したデータを取引先企業が受信、内容を確認して問題が無ければ双方同意の下で契約締結となります。正式に契約締結が行われると、送信側と受信側にメールが送られてくるので、内容をチェックして完了という流れです。

電子契約における注意点

電子契約では手続きの簡略化、管理のしやすさといったメリットだけでなく、注意すべき点も知っておかなくてはいけません。電子契約における注意点として主に挙げられるものは以下の通りです。

取引先企業の導入の有無

いくつかある注意点の中でも、特に気を付けなくてはいけないのが「取引先企業の導入状況」の確認です。電子契約を新たに導入する場合、必然的にワークフローの変更を余儀なくされます。決済時の手続きや担当スタッフの人選など、大幅な改善が必要となるケースも多く、導入に踏み切れない企業も少なくありません。

企業同士の取引は双方が納得して初めて成立します。時間をかけて契約書を作成して送信をしたにもかかわらず、相手側に拒否されて作業が無駄になるといった事例も多いのが実情です。意見の相違でトラブルにならないように、予め確認をしておかなくてはいけません。

契約内容で異なる対応が必要になることがある

需要の増加に伴ってビジネスにおける大半の契約が電子契約に対応していますが、例外的に認められていない物もあります。例えば「定期借地」など、書面の作成が法律で義務付けられている場合には、電子契約が利用できないケースも少なくありません。

法律の改正後に相手側の了承が得られた場合に利用可能になるといったように、一部例外が認められることもあります。行おうとしている契約が電子契約に対応しているかを調べておくことも、大事な事前作業の一つです。

電子帳簿保存法や契約に対応可能な会計ソフト

会計ソフトは一見するとどれを選んでも同じように感じられますが、利用できるサービスや月額費用など、細かい点に違いがあります。それぞれの特徴を理解した上で、ソフトを選ぶことが基本です。この章では、電子帳簿保存法や契約に対応している会計ソフトの中でも、特におすすめのものを紹介します。

WEBバランスマン

数ある会計ソフトの中でも公益法人の利用に適していると言われるのが、公益情報システム株式会社が提供しているソフト「WEBバランスマン」です。文字通り公益財団向けのサービスに特化したソフトで、全国にある600以上の企業が導入するなど高い信頼と実績を誇っています。

パソコンとインターネットに接続できる環境さえ整っていればすぐにでも導入、運用できる手軽さも魅力の一つです。セキュリティ対策の基本ともいえるアクセス制限はもちろん、個別の権限設定なども行えるため安全に利用できます。万が一トラブルが起きた時でも、専門の知識と技術を持ったスタッフによるサポートを受けられるので、専門の技術者がいない企業でも導入をしやすいでしょう。

マネーフォワードクラウド

「マネーフォワードクラウド」は、会計や勤怠管理システムなどの様々なサービスを提供している株式会社マネーフォワードが開発した会計ソフトです。会計ソフトとして人気が高い理由が、費用の安さです。

会計ソフトの多くが月額料金制となっている中、マネーフォワードクラウドはサービスの利用ごとに費用が発生する「従量課金制」を採用しています。毎月使った分だけの支払いとなるので、利用頻度にバラつきがある企業はコスト削減を実現できるのが強みと言えるでしょう。契約書ごとに電子押印の位置を変えられるといった、自由なカスタマイズも人気の理由に挙げられます。

BtoBプラットフォーム契約書

株式会社インフォマートが提供をおこなっている電子契約システム「BtoBプラットフォーム契約書」の魅力は、手続きのスムーズさです。このソフトは、社内稟議の起案から契約に至るまでの一連の作業をクラウド上で行えるワークフローシステムを採用しています。これにより、契約締結までに掛かる時間やスタッフの手間を大幅に削減できるでしょう。

さらに、取引先は無料で導入できることで、電子契約を採用していない企業にも受け入れてもらいやすいというメリットもあります。

電子契約の理解と適切な会計ソフト選びが重要

法改正による条件の緩和などで電子契約が利用しやすくなっていますが、より良い結果を得るためには導入する会計ソフト選びが重要です。作業効率の向上やコストダウン、取引先企業からの理解のされやすさなどメリットは異なります。電子契約のルールを正しく理解をした上で、自社の業務に適した会計ソフトを選ぶことが大切です。