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電子帳簿保存法の猶予とは?対応策とメリット・デメリット


2023.09.07

電子帳簿保存法が改正されたことにより、電子取引の取引情報は電子データでしか保存できなくなりました。紙に印刷された電子取引の取引情報は、取引の内容を証明する場合などに使用できなくなります。

この改正には猶予期間があり、今すぐ対応することができない事業者は、猶予期間内に必要な対応をすることが可能です。この記事では、電子帳簿保存法の猶予期間に関する情報について、詳しく解説します。

電子帳簿保存法の猶予制度とは?

電子帳簿保存法の猶予制度とは、この法律の規定を施行後すぐに事業者が実行できない場合に、一定の期間を定めて猶予する制度のことです。2022年の1月から施行された電子帳簿保存法の改正法にも、猶予期間が決められています。猶予期間が作られたのは、電子取引の取引情報は電子データで保存しなければいけないという規則です。改正法が施行された後は、原則として、電子取引の取引情報を、電子データ以外のもので保存することはできなくなりました。電子データの取引情報をこれまでずっと紙に印刷して保存していた事業者も、改正法の施行後は、取引情報を紙で保存する必要があります。

2022年の改正法では、上記の電子取引に関する規則について、2年間の猶予期間を設定しています。改正法が施行された2022年の1月1日から、2年後にあたる2023年の12月31日までが猶予期間です。この期間が終わるまでは、電子取引の取引情報を紙で保存することも認められます。ですが、猶予期間が経過した後の2024年1月1日からは、電子取引の取引情報を電子データ以外のもので保存することは一切できなくなります。このような猶予期間が定められたのは、全ての事業者がすぐに新しい制度に移行することが困難であると考えたからです。2年間の猶予期間を設けることにより、まだ制度に対応できない事業者も、新しい制度に対応するための準備をすることができます。

猶予制度の適用条件

電子帳簿保存法の猶予期間は、全ての事業者が利用できる訳ではありません。一定の条件を満たしている事業者だけが、猶予期間を利用することが可能です。猶予制度を利用できるのは、2022年の1月から電子取引の取引情報を電子データとして保存することができない、やむを得ない事情があると認められる場合です。電子データを保存するための設備が用意できない場合にも、やむを得ない場合として認められることがあります。このような場合に猶予制度を利用する場合でも、できるだけ速やかに必要な設備を用意して、新しい制度に対応できるようにすることが必要です。

電子帳簿保存法の猶予制度を利用するためのもう一つの条件は、猶予期間中におこなった電子取引の取引情報を、紙などに印刷して保存することです。保存するだけでなく、税務署などが要請した場合には、必要な書類を提出できるようにしておくことも必要です。これらの条件を満たしていなければ、猶予制度を利用することはできないので、直ちに全ての電子取引の取引情報を、電子データで保存する必要があります。猶予制度を利用するために、特別な届出をする必要はありません。所轄の税務署などの承認も不要ですが、できるだけ速やかに新しい制度に対応することが必要です。

猶予制度のメリットとデメリット

電子帳簿保存法の猶予期間を利用することは、メリットだけでなくデメリットもあります。ここからは、こうしたメリットとデメリットについて解説します。

猶予制度のメリット

事業者が電子帳簿保存法の猶予期間を利用するメリットは、今すぐに新しい制度に移行する必要がないことです。猶予制度に対応するためのスタッフを確保できない場合にも、猶予制度を利用するメリットがあります。2年間の猶予期間を使用すれば、時間をかけてゆっくりと必要な対応ができます。短時間で対応をしようとすると失敗してしまうこともあるので、十分な時間をかけて新しい制度に移行すれば、猶予期間が経過した後も適切な方法で、電子取引の取引情報を保存できます。

新しい制度に移行するための資金が用意できない事業者にとっても、猶予制度はメリットがあります。2022年1月の時点で十分な資金が用意できなくても、2年間かけて少しずつ資金を積み立てることができるので、2023年の12月までに必要な資金を用意することは可能です。こうした方法で、新しい制度に対応するための資金を作りたい場合には、計画的に資金を積み立てることが重要です。毎月の売上や費用などを計算すれば、どれくらいのお金を資金にまわすことができるのかわかります。

猶予制度のデメリット

電子帳簿保存法の猶予制度を利用するデメリットは、いつまでも古い制度を利用して、電子取引の取引情報を保存することができないことです。猶予期間が経過すれば古い制度は利用できなくなるので、いずれにしても電子取引の取引情報を電子データとして保存できるようにするための対応が必要です。

猶予制度を利用する場合には、他の仕事をしながら、新制度へ移行するための対応をしなければいけないというデメリットもあります。しなければいけない仕事が多い企業の場合には、猶予期間内に必要な対応を完了したいと考えても、思うように準備が進められないこともありえます。必要な対応を、猶予期間が終了する前にまとめて終わらせてしまえば、全ての従業員を本来の業務に集中させることが可能です。

電子帳簿保存法の猶予への対応策

ここでは、電子帳簿保存法の猶予がある間に対応する必要があることを解説していきます。

会計システムを導入する対応

電子帳簿保存法の猶予期間が終了するまでに必要な対応を終了するためには、計画的に準備をすることが不可欠です。猶予期間が終了する12月までに終了できれば良いと考えていると、期間が終了するまでに対応できなくなることもあるので、計画は早めに立てておいた方が最適です。

電子帳簿保存法の猶予期間が終了するまでの対応策としてすることができるのは、電子データを保存するために必要な環境づくりです。電子データを保存するために利用できるのは、コンピューターで使用できる会計システムです。会計システムを導入すれば、電子取引の取引情報を電子データとして保存できるだけでなく、損益計算書などの決算書も電子データとして作成できます。事業で使用するさまざまな書類を電子データとしてまとめて保存することにより、決算のために必要な会計処理もしやすくなります。

専門の会社に相談をする対応

電子帳簿保存法の猶予期間が終わるまでに必要な対応をしなければいけない事業者は、専門の会社に相談できます。電子取引に関するコンサルタントをしている会社もあるので、こうした会社に相談すれば、電子取引の取引記録を電子データとして保存するための方法をアドバイスしてもらえます。専門の会社では、依頼者が新制度に対応できるようにするために、会計システムの導入をサポートしてくれることもあります。

新制度に対応するために会計システムを使用したいけれど、どの製品を使用すれば良いかわからない場合にも、こうした会社に相談ができます。事業者の種類によって最適な会計システムは異なっていて、一般の企業が利用しやすい会計システムもあれば、公益法人に最適な会計システムも販売されています。専門の会社に相談をすることで、自社に合った会計システムを探してもらえます。

期限が終了するまでに対応が必要となる電子帳簿保存法の猶予制度

2022年の電子帳簿保存法改正法で定められた猶予制度は、2022年1月1日から2023年12月31日の期間に限り利用できます。この期間が経過したら原則通り、電子取引の取引記録は電子データでしか保存できなくなります。2023年の12月まで、まだ十分な時間があると思ってゆっくりと対応していると、期限が終わるまでに必要な対応を終えられなくなることもあるので、早めに対応しておいた方がおすすめです。