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電子帳簿保存法の対象企業は?定義と注意点


2023.09.07

電子帳簿保存法の遵守は、企業にとって避けて通れない課題となっています。この法律は、企業が経理データを正確に7年間保存することを求めており、法の対象となる企業はこの要件を遵守しなければなりません。しかし、適切な会計ソフトの利用によって、これらの問題はスムーズに解決することができます。今回は電子帳簿保存法の対象になる企業や会計ソフトの紹介など電子帳簿保存法について具体的に解説していきます。

電子帳簿保存法の対象となる企業

電子帳簿保存法は、事業を行っている組織が電子データとしての会計帳簿や税務文書を保存する際の基準や手続きを定めた法律です。この法律の背後にあるのは、情報化社会の進展とともに企業活動もデジタル化が進み、物理的な帳簿や文書を保管するよりも電子的な保存が有効であるという考え方です。

対象となる企業は大きく分けて二つです。一つ目は法人税法に基づく法人で、これには一般的な株式会社や有限会社などが含まれます。また、法人格を有する非営利団体なども含まれ、法人税法の範囲内であれば種類を問わず適用されます。二つ目は個人事業主で、これにはフリーランスの個人事業主や独立した専門家などが含まれます。

ただし、売上高が一定の額を下回る小規模な事業者については電子帳簿保存法の適用を受けない場合があります。これは、小規模な事業者が電子帳簿保存に伴うシステム導入などの負担を軽減するための措置です。具体的な売上高の額は、法律や規則により定められています。

電子帳簿保存法は企業に対して、電子帳簿の適切な管理と保存を義務付けています。その期間は、具体的な期限は法律で定められていますが、通常は会計年度終了後一定期間(日本の場合、法人税法では7年間)とされています。また、税務調査などで必要となった際には、これらの電子帳簿を税務当局に提出できる体制を整えることが求められています。

さらに、法律は電子データとしての帳簿保存にあたって、その完全性と信頼性を確保するためのガイドラインを提供する必要があります。これには、データのセキュリティ対策やバックアップ、災害時の復旧策、情報へのアクセス制御などが対象です。

電子帳簿保存法の対象企業がしなくてはならないこと

電子帳簿保存法の下で対象企業がしなくてはならない事項は次の通りです。

電子帳簿の作成と保存

企業は、税務に関連する全ての取引情報を適切に記録し、電子帳簿として保存しなければなりません。売上や支出の詳細、資産や負債の状況、利益や損失の計算など、会計情報全体が対象です。

提出の義務

電子帳簿を税務当局が要求した際には、すぐに提出できるようにしなければなりません。そのため、適切なデータ形式で提出できる体制を整えておく必要があります。

内部管理体制の構築

企業は電子帳簿保存にあたって、内部管理体制を構築する必要があります。具体的には、適切なITシステムの導入、関連する人材の教育、適切なアクセス権の設定、バックアップ体制の構築などが求められます。

データ形式とソフトウェアの遵守

保存される電子帳簿のデータ形式は法律やガイドラインで指定されているものを使用しなければなりません。また、保存や閲覧に使用するソフトウェアも、信頼性やセキュリティが確保されたものでなければなりません。

電子帳簿保存法に便利なソフト

ここでは電子帳簿保存法に便利なソフトを4つ紹介します。

Freee

Freeeは、クラウド上で利用できる会計ソフトウェアで、経理業務を大幅に効率化します。自動仕訳機能を搭載し、銀行口座やクレジットカード、ECサイトなどの取引情報を連携し、自動的に帳簿に記録します。税務申告のための各種書類も自動作成可能で、確定申告や消費税申告などに対応しています。また、電子帳簿保存法に基づく保存要件にも対応しており、会計データを7年間保存します。

MoneyForward

MoneyForwardは、経理・財務・人事労務などの業務を一元的に管理できるクラウド型の会計ソフトウェアです。自動化・可視化に強く、取引先や銀行口座とのデータ連携により、売上・費用・給与などのデータを自動的に取り込み、会計帳簿に反映させます。また、経営ダッシュボード機能を用いて、財務状況を一目で把握することも可能です。電子帳簿保存法に対応し、会計データを安全に保管します。

Yayoi

Yayoiは、会計・給与・販売・買掛金・売掛金などの業務に対応した統合型の会計ソフトウェアです。取引の入力から決算書作成、税務申告まで一貫してサポートします。シンプルな操作性と豊富な機能が特徴で、初めて会計ソフトを使用する人でも扱いやすいデザインや操作性がメリットです。Yayoiのソフトウェアは、パッケージ版とクラウド版があり、クラウド版ではデータの安全な保管や自動バックアップ、電子帳簿保存法に対応した機能が提供されています。

WEBバランスマン

最後に紹介するのは、公益法人限定のWEBバランスマンです。まず他の会計ソフトと違い、細かい権限設定が付いています。これにより、高セキュリティを実現しており、データの安全性や機密性が保たれています。その他にも初心者に優しい操作性、決算帳票の出力機能、業務の一元管理など、先ほど紹介した他のソフトが兼ね備えている機能を網羅しています。

電子帳簿保存法の対象企業が注意するポイント

電子帳簿保存法に基づく企業が特に注意すべきポイントは以下の通りです。

データの完全性と信頼性の確保

不正アクセスや改ざん、データの紛失等から電子帳簿を守るためのセキュリティ対策を講じる必要があります。例えば、パスワード管理、ネットワークのセキュリティ、データのバックアップとリカバリー等が考慮されるべきです。これは、データの完全性と信頼性を確保するために不可欠です。

保存期間の遵守

電子帳簿は法定の保存期間(日本では7年間)を遵守することが重要です。保存期間が経過した後のデータの取り扱いについても適切な方針を持つことが求められます。

外部の専門家の活用

電子帳簿保存法に関する専門的な知識を持つ外部の専門家(例えば税理士やITコンサルタント)を活用することも有効です。これらの専門家は、企業が法的要件を遵守するための適切な策を提案し、実施をサポートすることができます。

システムのアップデートと維持

システムのセキュリティや機能性を確保するためには、定期的なシステムのアップデートと維持が重要です。また、システムが長期間にわたって正常に稼働し、データを適切に保存するためには、適切なITリソースと専門的なスキルが必要です。

データプライバシーの保護

電子帳簿には、顧客や従業員、ビジネスパートナーなど、さまざまな個人や組織に関する情報が含まれる可能性があります。このような情報を保護するためには、データプライバシーに関する法律や規制を遵守することが求められます。

災害対策

自然災害や大規模なシステム障害など、予期しない事態からデータを保護するための対策も必要です。例えば、データのバックアップを定期的に取ったり、クラウドベースのストレージを利用したりすることで、データが失われるリスクを軽減できます。

記録の整合性

取引情報は企業の様々な部署やシステムで生成され、これらの情報が電子帳簿に集約されます。したがって、これらの情報が一貫性を保つためには、適切なデータ管理と整合性の確保が求められます。

会計ソフトを使いこなして電子帳簿保存を簡単に行おう

電子帳簿保存法に対応した会計ソフトを活用することで、企業の経理業務は大幅に効率化されます。今回紹介したソフトウェアは、取引の自動記録、税務書類の自動作成、データのセキュアな保存といった機能を提供し、法令遵守を確実かつ容易にします。これらのツールを駆使して、電子帳簿保存法に基づく要件をスムーズに達成しましょう。