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【2025】電子帳簿保存法のおすすめシステム15選!具体的な対応方法やシステムの選び方を解説


2023.09.07

2022年の改正により、電子帳簿保存法は大きな変化を遂げました。その一つが「税に関する帳簿や書類を電子データで保存することが義務付けられた」という点です。

これまで、データで受け取った請求書などは、印刷して紙媒体で保管する方法が一般的でしたが、今後は電子データとして適切に保管する必要があります。

この記事では、電子帳簿保存法に対応するのに便利なおすすめシステムを解説していきます。

電子帳簿保存法とは?専用システムの導入がおすすめ

電子帳簿保存法は、社会のデジタル化が進み始めたことを受け、1998年に制定された法律です。2005年や2016年などにおいて度々の改正を経て、2022年に大改正が行われ、今まで紙媒体での保存も許可されていた「電子取引データ」について、データでの保存が原則義務化されました。

電子帳簿保存法に対応するためには、専用のシステムの導入がおすすめです。ここからは、下記について詳しく解説していきます。

  • 「ペーパーレス化」や「企業のDX化」の促進を目的に改正された制度
  • 電子帳簿保存法に対応したシステムは必要?

「ペーパーレス化」や「企業のDX化」の促進を目的に改正された制度

電子帳簿保存法とは、企業や個人事業主が帳簿や書類を電子データで保存する際のルールを定めた制度です。

2022年の電子帳簿保存法の改正の目的の一つは、「ペーパーレス化」や「企業のDX化」の促進があると言われています。紙媒体での保存は整理に手間がかかる上、国税に関わる書類は7年間の保存が義務付けられているため、保管スペースが必要になるなど様々なコストが発生していました。対面での処理が省略されることで、テレワークのような新しい働き方にも対応しやすくなります。

2022年の改正後、2年間、電子データ保存に対応するまでの猶予期間が設けられましたが、電子化が難しい企業も多数あるため、2023年に一部が緩和されました。具体的には、「データでの保存が難しいと税務署長に認められる(申請などは不要)」かつ「紙だけでなくデータでも保存され、税務調査時に提出できる」という要件を満たすことができれば、紙保存も認められるようになっています。

しかし、2022年の改正前は認められていた「紙媒体のみでの保存」は、今後、法律に違反してしまいます。電子データを適切に管理し、必要に応じて参照できる環境を整える必要があります。

電子帳簿保存法に対応したシステムは必要?

電子帳簿保存法に対応するためには、専用システムの導入することをおすすめします。

もし、一台のパソコンでデータを管理していて、そのパソコンが壊れてしまったらどうなるでしょうか。あるいは、知らぬうちにデータを改ざんできるようなセキュリティリスクを抱えてしまう可能性もあります。

法的には「真実性の確保(データが改ざんされていないことを確認できること)」と「可視性の確保(誰でもすぐデータが確認できること)」の二つを満たす必要があります。細かな要件も定められているため、マンパワーで対応するよりも、専用システムの導入が望ましいでしょう。

電子帳簿保存法が定める帳票保存には3つの方法がある

電子帳簿保存法には、下記のいずれかの方法で保管する必要があります。

保存方法詳細対応が必要なこと対応義務
電子帳簿等保存自社作成した帳簿や決算書類などを電子的に保存訂正・削除履歴、検索機能の確保、システム概要書の備え付けなど任意
スキャナ保存紙やFAXなどで受け取った国税関係書類をスキャンして電子データ化して保存タイムスタンプを付与する、取引年月日などの検索タグをつける任意
電子取引データ保存電子メールやWebフォームで送受信した請求書・領収書・見積書等の電子データを保存電子データを保存する必須

参考:国税庁「電子帳簿保存法の概要」

電子帳簿保存法に対応するために、専用のシステムを導入すると良いでしょう。システムを導入することで、生産性も高まりやすくなります。

電子帳簿保存法に対応したシステムの選び方

電子帳票保存法に対応するシステムには、様々なものがあります。どのような形式で帳票を扱うかは、その企業や業種によって大きく異なるので、実務にあったものを選ぶ必要があります。

ここからは、次の3つの項目について解説していきます。

  • 業務の流れを意識する
  • 使用の制限について確認する
  • 社員のスキルに合わせる

業務の流れを意識する

まずは自社業務に沿ったシステムを選択することが大切です。例えば、「請求書の発行・承認などもシステムで一元化するケース」と「担当者が個々に請求書を作成、やり取りし、最終版のみを保存・管理したいケース」では必要な要件が大きく異なってきます。

前者の方が業務フローに関わるため負担も大きいですが、業務効率改善につながる可能性もあります。一方、既に他の会計ソフトなどを利用している場合は、そのソフトと連携して対応できるシステムを探す方が、コストがかからなくなるでしょう。

また、電子帳簿保存法は電子データとして作成された帳簿が対象なので、紙に手書きした書類は対応外です。しかし、経理処理の簡略化などを考えた場合、紙のデータをスキャンして取り込みたいというニーズもあります。そのような要望に応えたスキャン代行サービスなど、紙媒体の対応に特化したサービスのあるシステムを検討するとよいでしょう。

使用の制限について確認する

システム導入後の運用の観点から、アップロード件数や、利用可能なユーザー数などもチェックが必要です。

小規模な企業や個人であれば1日に10枚程度、経理担当者1人といった規模になります。しかし、営業が見積書や請求書を大量にやりとりするような場合は、このような状況でも対応できるシステムを選択する必要があります。

社員のスキルに合わせる

社会全体においてデジタル化が進んでいますが、それでもデジタルスキルのレベルは人によって大きく異なります。

帳簿を電子データ化して管理する場合は、作業に関係する全員が手順に従って対応できる必要があります。デジタルに苦手意識がある人や、経理や財務の知識がない人でも使いやすい機能やユーザーインターフェース、サポート体制が充実したものを選択すると負担が軽減できるかもしれません。

電子帳簿保存法のおすすめシステム15選

電子帳簿保存法は大企業から個人事業主、その他、非営利団体にまで影響する法律です。

ここからは、電子帳簿保存法に対応するシステムを紹介します。おすすめのシステムを以下にまとめました。

サービス名月額目安特徴
会計システム要問合せ・電子帳簿保存法にも対応した公益法人向けの会計システム
・完全クラウドシステム
・簿記の知識がなくても簡単に操作できる
楽楽明細25,000円〜・電子請求書発行システム
・簡単な操作で帳票発行業務を効率化できる
・初期費用が必要
freee会計2,980円〜・電子帳簿保存法の会計システム
・銀行やクレジットカードの明細内容が自動的に反映される
・レポート作成可能
invox電子帳簿保存1,980円〜・幅広い書類の電子保管が可能
・書類の高精度AI OCRデータ化
・検索条件自動付与
TOKIUM電子帳簿保存10,000円〜・電子帳簿保存法対応の
クラウド文書管理システム
・利用できるアカウントは無制限
・初期費用が必要
OPTiM 電子帳簿保存9,980円〜・電子帳簿保存法対応の
AI電子帳票管理システム
・無料トライアルあり
DenHo要問合せ・電子帳簿保存クラウドサービス
・AI-OCR技術を活用
・自動分類や全ての保存帳票の文字列を検索可能
バクラク電子帳簿保存12,000円〜・クラウド型電子帳簿保存システム
・AIによる自動入力・保管に対応
・無料プランあり
DataDelivery要問合せ・電子帳簿保存法に対応した証跡管理に最適なシステム
・独自データベース(特許取得)で各種データを長期間保管可能
・大量データの高速検索に対応
TOKIUMインボイス10,000円〜・クラウド請求書受領システム
・紙・PDF等あらゆる形式の請求書の受領代行、データ化が可能
・初期費用あり
Bill One 請求書受領要問合せ・クラウド請求書管理サービス
・請求書をオンラインで受け取り、管理可能
・請求書業務をデジタルで完結できる
マネーフォワード クラウド会計2,480円〜・クラウド会計ソフト
・自動入力、自動仕訳が可能
・バックオフィス業務に必要なサービスも利用できる
BtoBプラットフォーム 請求書要問合せ・請求書の発行・受領を一元管理できるプラットフォーム
・請求書の受け取り・発行に対応
・会計・販売管理システムとデータ連携可能
経費BANK3,000円〜・中小企業向けのクラウド型経費精算システム
・経費の申請や承認、振込み、仕訳などに対応
・会計ソフトにも連携可能
弥生会計Next2,900円〜・法人向けクラウド会計ソフト
・簿記や経理の知識がなくても使いやすい
・仕訳や記帳の自動処理が可能

公益情報システム株式会社の「会計システム」

公益情報システム株式会社の「会計システム」は、電子帳簿保存法に対応した公益法人向けの会計システムです。

電子帳簿保存法に対応しており、簿記の知識がなくても簡単に操作できる仕様になっています。収益事業を目的としない公益認定を受けている法人の場合、特殊な会計基準が設けられているため、一般企業向けのシステムでは対応できない可能性があります。

会計システムを導入したい公益法人の方におすすめのシステムです。

楽楽明細

請求書や納品書などの帳票を一元管理できるシステムとしておすすめなのが「楽楽明細」です。請求書や明細をWEB上で発行でき、送信やデータ管理をオンラインで作成できます。作成した帳票は、ダウンロード可能です。メール送付や、郵送、FAXなどにも対応しています。

freee会計

freee会計は個人事業主や一般企業など、様々な規模に対応している会計システムです。電子帳簿保存法対応として、請求書や領収書などの証憑や資料を電子データとして取り込み、各種帳票類をファイルボックスで管理できます。複数のプランの中から、規模や業務要件に応じて選択可能です。

TOKIUM電子帳簿保存

電子データよりも紙媒体での書類が多いという場合におすすめなのが、「TOKIUM電子帳簿保存」です。様々な形式の書類を代行して受領した後、スキャンや保管など一括対応が可能です。ファイリングして保管するといった手間がかからない他、電子化も可能なため、業務の効率化に貢献するでしょう。

OPTiM 電子帳簿保存

OPTiM 電子帳簿保存は、全文検索機能や台帳自動作成機能を備えた電子帳簿保存法対応の専用システムです。PDFや画像ファイルにも対応しています。検索性の高さと自動化機能により、業務の効率化が期待できます。大量の帳票管理を行う企業におすすめのシステムです。

DenHo

DenHoは、AI-OCR技術を活用した電子帳簿保存法対応システムです。スキャナ保存や検索機能で書類管理を効率化します。フォルダに入れるだけでAIが自動で分類し、データ化が可能です。検索する際は、全ての帳票の文字をAIが検索してくれます。社外でも書類の確認や検索が可能です。

DataDelivery

DataDeliveryは、長期保存やデータ連携に対応した電子帳簿保存法対応システムです。人事書類や契約書など多様な文書を保管できます。クラウド環境で場所を選ばずアクセス可能です。厳格な保管条件や長期保管ニーズのある企業に最適なシステムです。

TOKIUMインボイス

TOKIUMインボイスは、請求書の受領から原本保管までを一括代行するクラウドサービスです。電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しています。請求書の郵送受取やスキャン、データ化、クラウド保管の対応も可能です。36以上の会計システムと連携ができます。

Bill One 請求書受領

Bill Oneは、請求書のスキャン代行やデータ化が可能なクラウド請求書管理サービスです。電子帳簿保存法・インボイス制度に対応し、受領した請求書を自動的にクラウド保存できます。郵送やメール、PDFなど、複数の経路からの請求書を一元管理も可能です。スキャンやデータ化、共有が可能なため、経理業務の効率化とペーパーレス化を推進できるでしょう。

マネーフォワード クラウド会計

マネーフォワード クラウド会計は、会計・請求・経費精算を一元管理できるクラウド型会計ソフトです。電子帳簿保存法・インボイス制度に対応し、金融機関や各種サービスとのデータ連携で自動仕訳が可能です。分析レポート機能も豊富で、経営判断に必要な情報をリアルタイムで把握できます。中小企業から上場企業まで幅広い層で導入されているシステムです。

BtoBプラットフォーム 請求書

BtoBプラットフォーム 請求書は、請求書の発行・受領を一元管理できるプラットフォームです。電子帳簿保存法・インボイス制度に完全対応しています。取引先との請求業務をクラウド上で完結させ、紙のやり取りや郵送コストを削減します。請求書の発行・受領業務や入金消込、データ連携にも対応しています。

経費BANK

経費BANKは、中小企業向けの経費精算クラウドサービスです。追加オプション不要で電子帳簿保存法に対応しています。領収書の読み取りや申請・承認作業、仕訳連携などが可能です。領収書や請求書以外にも、見積書などの帳票も電子保存ができます。

弥生会計 Next

弥生会計 Nextは、経理業務を効率化するクラウド型会計ソフトです。銀行・クレジットカードなどの連携により、自動仕訳が可能です。直感的な操作画面で簿記の知識がなくても使いやすく、経営状況をリアルタイムで把握できます。税理士・会計事務所とのデータ共有もスムーズで、中小企業から個人事業主まで幅広く利用されているシステムです。

電子帳簿保存法システムを利用するメリット

電子帳簿保存法システムを利用するメリット

電子帳簿保存法に対応するためにシステムを活用すると、業務の効率化やリスク回避など、さまざまなメリットがあります。

ここでは、電子帳簿保存システムを導入することで得られる次の4つのメリットを紹介します。

  • 書類管理を効率化できる
  • 書類を管理するコストを削減できる
  • 書類を紛失するリスクをなくせる
  • 不正防止につながる

書類管理を効率化できる

紙の書類を手作業でファイリングしたり、保管場所を確保したりといった煩雑な作業は、電子帳簿保存システムによって大幅に削減できます。電子データとして一元管理されることで、書類の検索や閲覧も簡単になり、必要な情報を迅速に取り出せるようになります。たとえば「取引先名」「金額」「日付」などでの検索機能を活用することで、探す手間を大幅に省けるでしょう。

書類を管理するコストを削減できる

紙の保管には印刷費・紙代・ファイル・保管棚などの備品コストだけでなく、オフィススペースも必要になります。電子保存に切り替えることで、物理的コストを削減でき、オフィスの省スペース化や賃料の節約などのコスト削減につながるでしょう。また、業務フローをシステム化すると、管理や経理にかかる人件費の削減も期待できます。

書類を紛失するリスクをなくせる

紙の書類は紛失・破損・盗難といった物理的なリスクがあります。電子帳簿保存システムを利用すれば、クラウド上でデータを保存・バックアップできるため、災害やトラブルによるデータ消失リスクを最小限に抑えられるでしょう。アクセス権限の設定やログ管理などにより、安全性も高まります。

不正防止につながる

電子帳簿保存システムでは、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴の保存といった機能により、データの改ざんや差し替えを防止できます。これにより、内部統制を強化し、不正やミスが起きにくい環境を整えられるでしょう。

電子帳簿保存法のおすすめシステムについてまとめ

電子帳簿保存法の施行により、これまで行っていた業務に大きく関わるため、頭を悩ませている方もいるでしょう。

電子帳簿保存法に対応したシステムは、提供するサービスや機能、特徴が異なりますスムーズに対応するためには、まず自社の業務フローなどについてよく確認し、必要な要件を洗い出した上で、システムを選択することが大切です。