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電子帳簿保存法は延長された?開始期間と猶予について


2023.12.28

電子帳簿保存法とは、国税の申告に用いる書類・帳簿・契約書面などを、電子データで保存するための要件を定めた法律です。電子帳簿保存法はこれまでに幾度も改正されており、そのたびに多くの重要な項目が変更となりました。

今回は、2023年12月時点における電子帳簿保存法の、施行時期・宥恕措置・違反となる行為などを解説します。また、電子帳簿保存法に対応した会計ソフトの紹介もします。

いつまで延長されたの?電子帳簿保存法の2年間の宥恕(ゆうじょ)措置を解説

電子帳簿保存法(略称:電帳法、正式名称:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)は、2022年に重要な項目が改正されています。それによって、電子取引に用いられた書類や帳簿を、電子データとして保存することが義務付けられました。

しかし、すべての事業者や企業がすぐに法律に対応するのは難しいため、「やむを得ない事情があることを所轄税務署長が認めている」「ダウンロードの求めおよび電磁的記録の出力書面の提示または提出の求めに応じられる」という2つの要件を満たすことを条件に、2年間の宥恕措置が設けられました。2023年12月31日までは、従来通り紙面よる電子取引の書面の保存が、宥恕措置によって認められています。

あくまでも宥恕措置は、書類や帳簿の電子保存へスムーズに移行するための経過措置です。したがって、宥恕の期間が過ぎれば、電子取引に用いる書面や帳簿はすべて電子データとして保存しなければならない、というのが原則でした。ですが、2022年12月に発表された「令和5年度税制改正大綱」によって、宥恕措置の期間は2023年12月31日の適用期限の到来をもって廃止となり、新たな猶予措置が整備されました。

「要件に沿った保存ができないことに相当の理由があると所轄税務署長が認めている」かつ「ダウンロードの求め、および出力書面の提示または提出の求めに応じられる」という2つの要件を満たす限り、電子取引に用いた書類や帳簿の紙面での保存は2024年1月1日以降も延長されます。なお、猶予期間がいつまで続くのかは2023年の時点では決定されていません。

義務化はいつから?電子帳簿保存法における電子データ保存の開始時期

電子帳簿保存法の規定により、2024年1月1日から電子データ保存の義務化が開始されます。

とはいえ、猶予期間が設けられているので「切り替えを急がなくてもよいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。ですが、猶予措置が適用される状態でも、電子データ以外での保存は推奨されていません。

また、猶予措置の要件である「相当の理由」が、どのような場合に認められるのか不明瞭な点にも注意する必要があります。予想に反して書面や帳簿の紙保存が認められないこともあり得ます。そのため、早い段階において電子保存へと切り替えをした方がよいでしょう。

何が違反行為になる?「真実性」と「可視性」の2つの要件を備えよう

電子帳簿保存法において違反となり得る行為は2つに大別できます。1つは「真実性の要件」を満たしていない行為です。もう1つは「可視性の要件」を満たしていない行為です。それぞれの要件を以下でみていきましょう。

隠蔽を防ぐための「真実性の要件」

電子帳簿保存法では、電子データの改ざんや隠蔽を防ぐための手だてとして、電子データをオリジナルのまま保存することを求めています。電子データおよび保存環境について次の要件を満たさない行為は、違反行為となり得るので注意が必要です。

・タイムスタンプの添付(データ受領後2カ月以内)
・電子データの訂正記録が残るシステムの導入
・改竄やデータ消失を防止するための事務処理規定の作成と運用

書類をスキャナで読み込み保存する場合には次の要件も求められます。
・読み込み精度は200dpi(A4書類:387万画素)以上
・カラー画像は赤・青・緑が各256階調(24ビットカラー)以上
・スキャナ保存したデータにはタイムスタンプ(データ受領後2カ月以内)を押す

なお、保存した電子データは一定期間保管しなければなりません。法人で7年・個人では5年間の保管が義務付けられており、その期間中に電子データを紛失・破棄してしまった場合は違反行為となります。

「可視性の要件」では見読可能性と検索機能の2つが重要

電子帳簿保存法では、保存された電子データの可視性を確保しておかなければなりません。可視性が確保されている状態とは、「見読可能性」と「検索機能」の2点を備えた状態を指します。この2点が損なわれると、違反行為となる場合があります。

見読可能性とは、データをいつでも確認できることを意味します。見読可能性を確保するには、電子データを閲覧・印刷できる機器(ソフトウェア・ディスプレイ・プリンターなど)に、操作説明書(システム概要書やシステム基本設計書)を備え付け、誰もがすぐに電子データを見られる状態にしておかなければなりません。

検索機能とは、特定の項目から電子データをピックアップできる機能のことです。電子帳簿保存法には、電子データが「日付・金額・取引先名」の3項目で検索できるようにする旨が定められています。さらに、日付および金額は範囲指定を使った検索(範囲指定検索)ができ、2つ以上の項目を用いた検索(組合せ検索)ができなければなりません。ただし、税務調査の際などに、ダウンロードの求めに応じられる状態で電子データが存在しているならば、範囲指定検索や組合せ検索の機能がなくともかまいません。

何が科される?電子帳簿保存法における違反行為の罰則について

真実性および可視性の要件が満たされていない行為は「青色申告の取り消し」や「重加算税が加重される」といった罰則を受ける場合があります。また、具体的な罰則が規定されていなくとも、電子帳簿保存法ではなく会社法976条の規定によって、100万円以下の過料が科せられることがあります。

電子帳簿保存法に対応している会計ソフトは?おすすめソフトを紹介

2023年12月の時点において、市場で流通しているソフトの中から、電子帳簿保存法に対応しているおすすめの会計ソフトウェアを2点紹介します。

WEBバランスマン(公益情報システム株式会社)

WEBバランスマンは、公益法人の会計基準に対応している、電子帳簿保存法対応の会計ソフトです。本製品の主な特徴は3つあります。

1つ目は「伺書からの入力が標準装備」されていることです。伺書とは、予算管理や財務管理を目的に作成される書類で、決裁後は会計書類や支払伝票として用いられています。伺書で入力したデータを支出伝票に引き継げるため、伺書が決定した後にデータを打ち直す必要がありません。支出先を入力するだけで済みます。これまで大量の伺書を発行していたのであれば、WEBバランスマンの導入によって作業の簡略化が期待できるでしょう。

2つ目は「変換マスタ機能が搭載」されていることです。これによって平成16年改定および平成20年改定の会計基準の両方における決算書類の作成ができます。3つ目は「按分マスタ機能」が搭載されていることです。会計や事業で按分しなければならない伝票であっても簡単に按分できます。また、誰でも使いやすいようにシステム設計されているので、簿記の知識がない方でも扱いやすいと評判です。

ちなみにセキュリティの面でもWEBバランスマンは高い評価を得ています。なぜなら、世界150カ国以上で使われている実績がある「ジオトラスト社」のSSL証明書を取得しているからです。会計という機密性の高さを必要とする情報でも安心して取扱いができるでしょう。

マネーフォワードクラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワードクラウド会計は、経理・会計・経費精算など会計業務に関わるさまざまな仕事をまとめて管理できる、クラウド型のソフトウェアです。電子帳簿保存法の要件を満たしているかを認定する「JIIMA認証」を取得しているので、安心して使うことができるでしょう。

マネーフォワードクラウド会計で受け取った電子データは、電子帳簿保存法に準拠する形で、クラウド上にある「マネーフォワード クラウドBox」に自動保存されます。変更作業などを挟まないで済むので業務の簡略化に役立つでしょう。また、行政手続きのペーパーレス化にも効果的です。

なお、マネーフォワードクラウド会計は、マネーフォワードが提供しているほかのクラウドツールと連携させられます。使い方によっては、会計業務だけでなく、勤怠管理や資金の一元管理などを、同じプラットフォーム上で行うことも可能です。

2024年1月1日からは義務化!できるだけ早く電子帳簿保存法の対策をしよう

電子帳簿保存法の規定により、2024年1月1日をもって、電子取引に用いられた書類や帳簿は電子データとして保存しなければなりません。2024年以降も猶予期間が設けらているとはいえ、あくまでもこれは経過措置に過ぎません。可能な限り性急に電子帳簿保存法に対応した会計環境へと以降することをおすすめします。

もし、これから電子帳簿保存法への対応を検討するなら、今回紹介したソフトウェアを導入してみてはいかがでしょうか。