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e-文書法と電子帳簿保存法の違いは?対応ソフトも解説


2023.10.03

事業で書類を扱う際には、様々な法律が関係してくるので注意しなければなりません。中でもe-文書法と電子帳簿保存法は、事業との繋がりが大きいです。そして、e-文書法と電子帳簿保存法は似ているため、混同してしまう人も少なくありません。では、e-文書法と電子帳簿保存法は何が違うのか、それぞれの概要や動向と一緒に詳しく解説していきます。

e-文書法と電子帳簿保存法の概要

e-文書法と電子帳簿保存法の違いを知る前に、まずはそれぞれどのような法律であるのか、基本的な概要を把握しておきましょう。

e-文書法の概要

e-文書法は、2005年に施行された法律です。そして、このe-文書法という名前は、正式な名称ではありません。「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の総称として、e-文書法という言葉が使用されます。

民間事業を行う際には、様々な書類を扱いますが、その一部は保存が義務付けられています。かつて、書類の保存は紙の形式に限定され、電子データの形式で保存することは法律によって禁止されていました。そのデータ形式保存を可能にしたのが、e-文書法です。世の中のIT化に合わせて、書類を最初からデータ形式で作成したり、紙の書類をスキャンしてデータ化したりすることが、できるようになっています。

電子帳簿保存法の概要

電子帳簿保存法は、e-文書法の一部です。e-文書法の中で、限られた書類が対象の場合のみ、電子帳簿保存法が適用されます。主に国税に関する書類を、電子データ形式で保存するよう定めた法律で、対象となるのは法人と個人事業主です。対応するためには、所得税や消費税などに関する書類を、スキャナでの保存や電子データ形式のままで保存をしなければなりません。電子帳簿保存法は1998年に施行されましたが、要件が厳しいという理由で、何度か改正されています。特に2022年の改正では、大幅な要件緩和が実施されることになりました。元々は承認を受けるために、税務署に届け出を出す必要がありましたが、法律の改正によって届け出は不要になっています。

e-文書法と電子帳簿保存法の主な違い

e-文書法と電子帳簿保存法は、実質的には別の法律です。そのため、違いも数多くあります。その中でも重要度が高い違いは、把握しておいた方が良いでしょう。

対象となる書類が違う

e-文書法の対象となるのは、一部の例外を除いた、民間事業に関する書類全てが対象です。事業で発生した見積書や商品の企画書など、あらゆる書類をデータ形式で保存することができます。それに対して電子帳簿保存法の対象は、国税関係の帳簿と書類、電子取引のデータのみが対象です。e-文書法の対象に含まれる納品書や請求書、取引メールなどは、電子帳簿保存法の適用が優先されます。

管轄する省庁が異なる

民間事業に関係する書類は、種類が非常に多いです。そのため、書類の種類によって、厚生労働省や法務省など、管轄する省庁も変わります。しかし、電子帳簿保存法の場合は、管轄省庁は国税庁あるいは財務省のみです。それ以外の省庁が電子帳簿保存法に関わってくることは、基本的にないでしょう。

要件の違い

e-文書法と電子帳簿保存法はそれぞれ要件が違い、e-文書法の要件は4つに分かれています。データの内容を問題なく確認できる「見読性」、データの削除や改ざんが行われていない「完全性」、関係者以外がデータを閲覧できない「機密性」、任意のデータを容易に取り出せる「検索性」の4つです。それに対して電子帳簿保存法には、「真実性の確保」「可視性の確保」という2つの要件があります。「真実性の確保」の要件では、タイムスタンプの付属やデータの削除規定などが求められます。「可視性の確保」で必要なのは、電子データを検索できる機能や、システムの操作マニュアルです。e-文書法よりも種類は少ないですが、内容は複雑になっています。

義務と罰則の有無

e-文書法は、民間事業の効率化のために、書類はデータ形式で保存しても良いという内容の法律です。データ形式での保存は義務ではないため、紙の形式で保存するという選択肢は残されています。もちろん紙の形式で保存しても、罰則を受けることはありません。それに対して電子帳簿保存法は、一部が義務化されているという違いがあります。事業で電子取引をした場合、その請求書などのデータは、そのままデータ形式で保存しなければならないという内容です。もし、違反した場合は、追徴課税や青色申告の取り消しなどの罰則が科される恐れがあります。

今後のe-文書法と電子帳簿保存法の動向

法律には改正が付き物で、書類に関する法律も例外ではありません。では、e-文書法と電子帳簿保存法はそれぞれどのような動向を見せる可能性があるのか、解説します。

e-文書法に改正される予定はない

e-文書法は、2005年に施行されてから、一度も改正されていません。そして、改正される具体的な予定もないようです。ただ、書類を電子データ形式で保存する場合、ペーパーレス化が進む、業務効率化を実現しやすいなどのメリットが生まれます。そのメリットが大きくなると、書類をデータ形式で保存するよう、義務化される可能性はあります。実際に電子帳簿保存法では、改正によって一部が義務化されました。e-文書法も、同様の道をたどる可能性があるでしょう。

電子帳簿保存法は2024年に電子取引が義務化

電子帳簿保存法は、2022年に改正され、一部が義務化されました。その猶予期間が、2023年の12月まではあります。2024年1月以降は、電子取引に関するデータは、全て電子データ形式で保存をしなければなりません。義務化に対応できる体制が整っていない、義務化されることを知らなかったなどの理由で、電子帳簿保存法に違反してしまう人が出てくると考えられるでしょう。

e-文書法・電子帳簿保存法対応のソフト

e-文書法や電子帳簿保存法に対応するためには、会計ソフトを使用することが望ましいです。そこで、公益法人と一般企業それぞれにおすすめできる会計ソフトを、ひとつずつ紹介します。

公益法人向けのWEBバランスマン

公営情報システム株式会社が提供する、公的法人がターゲットの会計ソフトです。クラウド型とオンプレミス型の2通りがあり、使用する環境に合わせて選択することができます。そして、電子帳簿保存法に対応するために欠かせない決算書の出力も可能です。公益法人では、16年あるいは20年の会計基準に応じた決算書を作成しなければならないこともありますが、その両方に対応できます。

WEBバランスマンの大きな特徴は、操作が比較的簡単である点です。使用する目的に応じて、情報の入力が必要な部分はソフトが教えてくれます。そのため、会計に詳しくない人でも、問題なく使える可能性が高いでしょう。また、同じ数字や文字を入力する場合、自動でコピーする機能が備わっています。全ての項目にひとつひとつ打ち込む必要はない上に、記入漏れや入力ミスといった問題を未然に防げるでしょう。

シェア率が高いfreee

一般企業向けの中でも、高いシェア率を誇るソフトです。クラウド型のソフトで、インターネット環境さえあればすぐに利用を始められます。そして、同項目の入力など、自動化機能が豊富である点が大きな強みです。さらに、操作性が高いため、複雑な会計に関する書類も、比較的簡単に作れるでしょう。また、freeeは、電子帳簿保存法に完全対応しています。義務化されている部分はもちろん、紙での保存とデータ形式の保存を選択できる部分も、全てデータ化が可能です。したがって、e-文書法や電子帳簿保存法を積極的に活用して、ペーパーレス化を進めたいという人におすすめします。使い方次第では、事業の完全ペーパーレス化も不可能ではないでしょう。

e-文書法と電子帳簿保存法は混同しないように

e-文書法と電子帳簿保存法との共通点は、事業で使用する書類に関する法律であることくらいです。それ以外の、対象となる書類や関係する省庁などは大きく違います。要件も違うため、同じように書類を扱っていると、それぞれの要件を満たせない可能性があります。したがって、どの書類がどちらの法律に関係するのかをしっかり把握して、混同しないようにしましょう。