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【2025】電子帳簿保存法の導入方法は?おすすめソフトも紹介


2025.11.13

本記事では、電子帳簿保存法の概要や実際の導入手順、注意すべき点、おすすめのソフトについて解説します。電子帳簿保存法の導入や経理・会計のDX(デジタルトランスフォーメーション)を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

会計ソフトを利用した電子帳簿保存法の導入方法・手順

電子帳簿保存法に対応するためには、制度理解だけでなく現状分析・システム選定・運用設計・定着化といったステップを踏むことが重要です。ここからは、会計ソフトを利用した電子帳簿保存法の導入手順について解説します。

ステップ1:資料請求・初回ヒアリング

まず、会計ソフトにWebサイトから資料請求を行います。その後、営業担当者がヒアリングを行い、法人の規模・会計基準・業務フロー・電子帳簿保存法対応のニーズなどを確認します。ここで「何を」「どの範囲で」「どのように」電子保存を行うかの方向性を共有します。

ステップ2:システムのデモンストレーション

次に、実際にシステム操作を確認するデモンストレーションを受けます。この段階で、自社業務との親和性、操作性、システム導入後の運用イメージを確認します。

ステップ3:見積提示・契約・導入準備

導入範囲が確定したらシステム費用・運用費用・導入支援費用などを含む見積書が提示され、契約となります。契約後は、システム導入に向けた準備が始まります。
この準備には、保存対象帳簿・書類の洗い出し、運用ルール、アクセス権限、検索要件、バックアップ体制といった内部体制の設計も含まれます。

ステップ4:運用開始と定着化

システム導入後には、実際に電子帳簿・書類保存を行う運用を開始します。まずは限定範囲(部署・書類種別)で試験運用を行い、問題点があれば修正を加えながら全社展開へ移行することが望ましいです。

また、法令改正や保存要件の更新を踏まえ、定期的な運用チェックやレビュー体制を構築しておくことも重要です。

このような手順を踏むことで、電子帳簿保存法対応を焦らず、かつ確実に進めることができます。

小規模企業・個人事業者が電子帳簿保存法を導入する場合

電子帳簿保存法の対応は、大企業だけでなく、小規模企業や個人事業者にも求められます。

まず、自社の取引形態を把握することが重要です。請求書や領収書をメールやクラウド上で受け取っている場合は、「電子取引データ」として保存義務の対象になります。紙での保存は認められないため、電子データのまま保存できる仕組みを整える必要があります。

電子帳簿保存法を導入するにあたり、クラウド会計ソフトやストレージサービスの活用が効果的です。近年の会計ソフトは、電子帳簿保存法に対応しており、タイムスタンプ付与や訂正削除履歴の記録、検索機能などを自動的に行えます。これにより、専門知識がなくても要件を満たす運用が可能です。

また、運用ルールの整備と社内共有も欠かせません。ファイル名の付け方や保存場所のルールを決めておくことで、後からスムーズにデータを検索・確認でき、税務調査の際にも対応しやすくなります。

小規模事業者の場合、クラウド会計ソフトを中心に据えた運用から始めるのがおすすめです。初期投資を抑えつつ、効率的で法令に沿った電子保存体制を整えることができます。

電子帳簿保存法を導入する際の注意点

電子帳簿保存法を導入する際の注意点

電子帳簿保存法に適切に対応するためには、いくつか特に気をつけるべきポイントがあります。制度上の要件を理解すると同時に、運用面でも注意を払う必要があります。

保存要件と書類対象範囲の理解

電子帳簿保存法で定められた保存要件(例えば、「検索性」「訂正・削除の履歴」「相互関連性」など)を正しく理解しておくことが大切です。
また、どの書類が電子保存の対象かを誤ると、法令違反となるリスクがあります。たとえば、紙で受け取った書類を単純にスキャン保存しただけでは要件を満たさない場合があります。

移行期の併存運用と混乱防止

電子化を進める段階では、紙保存と電子保存が併存する期間が発生しやすいです。この混在状態を放置すると管理ミスや保存漏れ、検索不可といったトラブルの原因となります。運用ルールを明確に設計し、併用フローを定めておくことが重要です。

システム選定だけで終わらせない運用設計

導入するシステムが電子帳簿保存法対応であっても、実際に使える運用体制が整っていなければ適切な保存はできません。アクセス権限、バックアップ、ログ管理、運用マニュアル、監査対応などをあわせて検討しましょう。

法制度改正と将来対応への備え

電子帳簿保存法は改正が進行中で、例えば電子取引データの保存義務化や検索要件の強化などが進んでいます。 今後の制度変更にもスムーズに対応できる体制を作っておくことが大切です。法改正に対応している会計ソフトを利用すると良いでしょう。

電子帳簿保存法の導入におすすめのソフト

電子帳簿保存法の導入におすすめのソフト

実務での導入をスムーズにするために、電子帳簿保存法対応に対応している会計ソフトを紹介します。公益法人向けと通常法人向けに分けてご紹介します。

公益法人向け:WEBバランスマン

「WEBバランスマン」は、公益法人会計基準に対応しているだけでなく、電子帳簿保存法の要件にも対応している会計システムです。公式サイトには電子保存機能が紹介されており、伝票から請求書の添付・検索・保存までを一体的に行える仕様となっています。

公益法人は会計基準が一般法人とは異なるケースが多いため、公益法人特化のソフトを選ぶことで、専門知識がない方でもスムーズに対応できます。

通常法人向け:マネーフォワード クラウド会計

中小企業や一般法人向けには「マネーフォワード クラウド会計」がおすすめです。電子帳簿保存法の対応しており、導入実績も多く、運用しやすさに定評があります。銀行口座やクレジットカードの明細自動取得、仕訳自動登録、決算・レポート作成を一貫してサポートしてくれます。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、紙の帳簿書類や取引書類を電子データとして保存することを制度的に認めた法律です。帳簿・書類の保存義務を担う法人・個人事業主が、適法に電子データ保存を行うための要件が定められています。

電子帳簿保存法には3つの保存区分がある

この法律には、主に次の3つの保存区分が含まれます。

電子帳簿等保存元から電子で作成された帳簿・書類を電子データのまま保存
スキャナ保存紙で受領・作成された書類をスキャナ等で読み取り、電子データとして保存
電子取引データ保存電子取引でやりとりされた請求書・領収書などを受領・保存する際の要件

電子帳簿保存法の導入は単なるペーパーレス化ではなく、保存方法の仕組みを見直すきっかけにもなります。

保存する際の要件が定められている

電子帳簿保存法では、電子取引データを保存する際に、次の3つの要件を満たす必要があります。

真実性の確保タイムスタンプの付与、訂正削除の履歴管理、または信頼できるクラウドサービスの利用などにより、データ改ざんを防止することが求められるなどの対応が必要
可視性の確保税務調査などの際に内容をすぐ確認できるよう、モニターやプリンタで出力できる状態を保持するなどの対応が必要
検索性の確保取引年月日、金額、取引先名などで検索できるよう索引情報を設定する。条件により、検索条件の一部は緩和される場合もある

このような対応を行うことで、データの改ざん防止につながり、閲覧・検索もしやすくなります。

電子帳簿保存法の導入についてまとめ

電子帳簿保存法の導入は、経理・会計業務の効率化だけでなく、法令遵守・データ活用・経営基盤の強化にもつながります。

導入手順としては、資料請求・ヒアリング・デモ・見積・契約という流れを基本とし、運用設計・試験運用・本格運用・定期レビューを含む段階が重要です。

電子帳簿保存法対応は、準備に一定の労力を要しますが、業務効率化にもつながります。本記事を参考に、ぜひ電子帳簿保存法や会計ソフトの導入を検討してみてください。