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大学の外部講師とは?常勤講師と非常勤講師の違いや講師のなり方を解説


2024.12.02

「大学の外部講師になりたい、でも具体的な方法がわからない。」そんな悩みを抱えていませんか?外部講師になるには、研究者としてのキャリアを積んだり実社会での経験を活かしたりする方法があります。

また、公募への応募や人脈の活用など、採用までのアプローチもさまざまです。そこで、本記事では外部講師になるための具体的な方法や常勤講師と非常勤講師の違い、さらによくある質問への回答まで、幅広く解説します。外部講師を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

大学の外部講師とは

大学の外部講師とは、大学に所属せずに特定の授業や講義を担当する教育者のことです。外部講師は主に非常勤講師として雇用され、特定の科目や期間限定で教鞭を執ります。外部講師の魅力は、実社会での経験や最新の知識を学生に提供できる点にあります。

企業の第一線で活躍する実務家や特定分野のエキスパートが講師として招かれるケースも少なくありません。外部講師が持ち合わせる知識は、学生たちの興味を引き出し、学習意欲を高めるでしょう。しかし、外部講師には課題もあります。大学の文化や制度に馴染むのに時間がかかったり常勤教員と比べて待遇面で差がでたりします。

それでも、外部講師の存在は学生の視野拡大や教育の質の向上などの観点から大学教育に不可欠です。今後も大学と社会をつなぐ役割として、外部講師はますます重要になっていくでしょう。

常勤講師と非常勤講師の違い

常勤講師と非常勤講師は、一見似たような立場に見えますが、実際には雇用形態や待遇、業務内容などに大きな違いがあります。これらの違いを理解することで、大学教育の現場をより深く知れるでしょう。

正規職員か非正規職員か

常勤講師は、大学の正規職員として雇用されます。一方、非常勤講師は非正規職員として扱われ、雇用は通常、1年ごとの契約更新制です。また、常勤講師は、授業だけでなく学内の会議や委員会活動にも参加します。学生の指導や研究活動にも携わることもあるでしょう。これに対し、非常勤講師の主な業務は授業の実施に限られます。

このような雇用形態の違いは、キャリアパスにも影響を与えます。常勤講師は将来的に准教授や教授へと昇進する可能性がありますが、非常勤講師にはそのような道筋が明確ではありません。しかし、非常勤講師の経験は、正規教員を目指すうえで貴重なステップとなり得るでしょう。

給与基準の違い

常勤講師と非常勤講師の間には、給与面でも大きな開きがあります。常勤講師の年収は通常500〜800万円程度で、正規教員とほぼ同等の待遇を受けます。一方、非常勤講師の年収は平均して300万円前後です。非常勤講師の給与は、担当する授業のコマ数に応じて決まり、具体的には一般的に1コマあたり2〜3万円程度が相場です。

この仕組みは、大学側にとって柔軟な人材活用を可能にする一方で、非常勤講師の収入が不安定になる要因でしょう。なお、非常勤講師のような稼働分に対する給与体系の管理には「謝金システム」の導入が効果的です。このシステムを使えば、講師への謝礼金支払いや報酬管理を効率的に行えます。また、支給明細書の作成や会計システムとの連動も可能となり、事務作業の負担を大幅に軽減できるでしょう。

外部講師になる2つの方法

大学の外部講師になるには、主に2つの道筋があります。1つは研究者や教育者として専門性を磨く方法、もう1つは実社会で実績を積む方法です。それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

①研究者や教育者として現場に携わる

研究者や教育者としてのキャリアを積むことは、外部講師への近道です。この道を選ぶ人は大学院に進学し、修士号や博士号の取得を目指します。学位の取得は、専門性の証明となり、大学側からの信頼を得やすくなります。また、大学院では自身の研究テーマを深く掘り下げると同時にティーチングアシスタント(TA)として学部生の指導に携わる機会も得られるでしょう。これらの経験は、将来講師として教壇に立つ際に大いに役立ちます。

それから研究成果を学会で発表したり、論文を執筆したりすることも重要です。こうした活動を通じて、自身の専門分野での知名度を上げられます。また、他の研究者とのネットワークを構築する機会にもなるでしょう。大学院修了後は、ポスドク(博士研究員)として研究を続けるケースも多いです。

この期間に更なる研究実績を積み、教育経験を重ねることで、外部講師としての魅力が高まります。しかし、アカデミックポストの競争は激しく、安定した職を得るまでに時間がかかる場合があります。加えて研究資金の獲得や論文の執筆など、常に成果を求められるプレッシャーも大きいでしょう。

②実社会で実績を作る

一方、実社会での経験を活かして外部講師になる道もあります。企業や団体で働きながら専門性を磨き、その知識や経験を学生に還元する形です。この方法の魅力は、理論だけでなく実践的な知識を学生に提供できる点にあります。たとえば、IT企業でプログラマーとして働きながら、最新の技術トレンドを学び続け、その知識を活かして情報科学の講義を担当するといったケースが考えられます。

または、マーケティング部門で活躍しながら、実際のキャンペーン事例を交えてマーケティング論を教えるといった形もあるでしょう。そのような実務経験を積むことで理論と実践のギャップを埋める視点が養われ、習得した知識やスキルを還元すれば学生にとって非常に価値のあるものになるでしょう。

ただし、実社会で実績を作る場合も、自己研鑽は欠かせません。業界の最新動向をキャッチアップし続けることはもちろん、教育スキルの向上も必要となります。また、仕事と講師業の両立には、高度な時間管理能力が求められるでしょう。

大学の外部講師になる2つの方法

大学の外部講師になるには、主に公募に応募する方法と人脈を活用する方法の2つが挙げられます。ここでは、それぞれの方法の特徴と注意点を詳しく解説します。

①大学の外部講師募集に応募する

大学の外部講師募集に応募することは、最も一般的な方法です。多くの大学が定期的に講師を募集しており、これらの機会を逃さず挑戦することが大切です。まず、募集情報を確実に入手するために、大学のウェブサイトや求人サイトをこまめにチェックすることがポイントです。また、JREC-IN Portalという研究者向けの求人サイトも活用できます。JREC-IN Portalでは、全国の大学や研究機関の求人情報が一括で閲覧できます。応募の際は、履歴書と業績リストの作成に十分な時間をかけましょう。

特に業績リストは、自身の専門性を示す重要な資料となるため、研究論文や著書、学会発表の実績などを漏れなく記載してください。さらに実務経験がある場合は、その内容も具体的に記述するとよいでしょう。面接では、自身の専門性をアピールするだけでなく、教育に対する熱意も伝えることが大切です。学生にどのような価値を提供できるか、具体的なビジョンを持って臨みましょう。

ただし、公募での採用は競争率が高いのが現実です。不採用の場合も落胆せず、次の機会に向けて準備を続けることが重要です。むしろ、応募の経験を通じて自身の強みや弱みを把握し、次につなげるチャンスと捉えましょう。

②大学関係者とのコネクションを作る

人脈を活用して外部講師の機会を得る方法も有効です。この方法では、大学関係者との信頼関係を築くことがカギとなります。そのため、まずは自身の専門分野の学会や研究会に積極的に参加しましょう。学会や研究会に参加すると、大学教員や研究者と交流する機会が得られます。

さらに発表や質疑応答を通じて自身の専門性をアピールし、印象を残すことが大切です。それからSNSの活用も効果的です。LinkedInやResearchGateなどの専門家向けSNSならば同じ分野の研究者とつながりを持てるため、自身の研究や業績を発信し、存在感を示せます。

また、大学のセミナーや公開講座に参加するのも良いでしょう。そこで知り合った教員と交流を深めれば、将来的な講師の機会につなげられます。ただし、交流会では講師の仕事を得ることだけを目的にすると、相手に不快感を与える可能性があります。むしろ、学問や教育に対する純粋な情熱を持って交流することが大切です。

大学の外部講師によくある質問

大学の外部講師に関して、よくある質問とその回答を紹介します。

外部講師でも給与は上がりますか?

外部講師の給与は、担当する授業のコマ数や経験年数によって変動します。一般的に、経験を積むにつれて少しずつ上がっていく傾向にあります。ただし、常勤講師と比べると上昇幅は小さいでしょう。外部講師はそれぞれで給与が違うため、給与処理も煩雑になる場合があります。

そのような外部講師の給与の管理には、公益情報システム株式会社の「謝金システム」の導入が効果的です。「謝金システム」を使えば、講師への給与の支払いや管理を効率的に行えます。また、支給明細書の作成や会計システムとの連動も可能となり、事務作業の負担を大幅に軽減できます。さらに、「謝金システム」は法定調書の印刷にも対応しています。

支払調書や源泉徴収票の作成が簡単になるため、税務処理も円滑に進められるでしょう。インボイス制度への対応も可能で、講師マスタに登録番号を登録できます。

大学の講師には誰でもなれるか?

大学の講師になるには、一定の条件を満たす必要があります。通常、修士号以上の学位や、その分野での十分な実務経験が求められます。ただし、具体的な要件は大学や担当科目によって異なります。また、専門分野での研究実績や論文発表は、講師になるうえで大きな強みとなります。

学会での発表やセミナーでの講演経験などは、教育経験や指導力として評価の対象となるでしょう。特に実務経験を重視する科目では、企業での勤務経験が重要視されます。たとえば、マーケティングの講義であれば、実際にキャンペーンを企画・実施した経験が求められるでしょう。

ただし、これらの条件を満たしていても、必ずしも講師になれるわけではありません。大学側のニーズや競合する他の候補者との比較など、さまざまな要因が採用の決め手となります。

大学の兼任講師とは何か?

兼任講師とは、主に非常勤講師を指す言葉です。兼任講師の特徴は、複数の大学で同時に教鞭を執れる点です。たとえば、A大学で月曜日に講義を行い、B大学で水曜日に別の講義を担当するといった働き方が可能です。この柔軟な働き方は、講師にとってメリットになるでしょう。

なぜなら、複数の大学で教えることで、より多くの収入を得られる可能性があるからです。また、さまざまな環境で教育経験を積めるのも大きなメリットでしょう。ただし、兼任講師には課題や注意点もあります。雇用が不安定で、年度ごとに契約更新の不安を抱えることも少なくありません。また、複数の大学で教えるため、移動時間や準備時間の負担も大きくなります。

大学の外部講師に関するまとめ

大学の外部講師は、学生に新たな視点や実践的な知識を提供できる存在です。常勤・非常勤の違いを理解し、自分に合った道を選ぶことが大切です。研究者としてのキャリアを積むか、実社会での経験を活かすか、それぞれの長所を活かしましょう。

また、公募への応募や人脈の活用など、さまざまなアプローチ方法を駆使して外部講師としてのチャンスをつかんでください。さらに、大学側は外部講師を採用する際、それぞれ異なる給与計算や管理が必要になります。公益情報システム株式会社の「謝金システム」を導入することで、外部講師の管理を効率化できるため、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。