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公法人と公益法人の違いとは?会計や分類上の違いを解説


2026.03.08

公法人と公益法人は、どちらも営利を目的としない法人です。しかし、法人の分類がこの2つでは法律上の位置づけが異なり、運営や会計の仕方に大きな違いがあります。そのため、運営を進めていく上で、会計の基準が左右されるため、違いを押さえておく必要があるのです。

そこで、公法人と公益法人の目的や役割、設立手続き、会計の仕方などの違いを確認します。

公法人と公益法人の分類上の違い

公法人と公益法人は、名前が似ていても中身は異なる法人を指します。なぜなら、「公法人」は、法人を分類する際に、「公法人 – 私法人」という2つの区分で法人を分けるからです。そして、公益法人はこの区分のうち「私法人」に該当します。この点から公法人とは公益法人と分類が異なることがわかります。

を指します。そして、「私法人」の具体例がこの公益法人です。名前で同じものと誤解しやすいため、大枠がそもそも公・私で異なることを押さえておく必要があります。

公法人とは

公法人とは、国や地方公共団体と同じで、行政を担う主体を指す法人を指します。公法人の代表例には、独立行政法人などがあります。

  • 独立行政法人
  • 国立大学法人
  • 日本銀行
  • 特殊法人
  • 社会保険診療報酬支払基金

例えば、上に挙げた国立大学は元々、国の運営でしたが、法人化して現在は「国立大学法人」に変わった代表的な例です。郵政民営化後の日本郵便もまた、公法人(の特殊法人)ではなく、私法人の株式会社という扱いとなります。

公益法人とは

公益法人とは、私法人の中でも利益を目的としない法人のことです。私法人には「営利法人」と「非営利法人」があります。営利法人は利益を追求する民間企業です。会社法で営利法人は以下の4つと決まっています。

  • 株式会社
  • 合資会社
  • 合同会社
  • 合名会社

一方、非営利法人は事業目的を「公益」に定める法人です。利益は出す場合には制限があります。非営利法人として代表的な例は以下です。

  • 公益法人
  • NPO法人
  • 医療法人

今回取り上げている公益法人は、非営利法人に含まれており、民間でありながら公的な助成や寄付、財産を活用して、公益目的事業を行います。そして公益法人は、「公益社団法人」と「公益財団法人」をまとめて呼ばれる名称のことです。

公法人と公益法人の目的・役割の違い

公法人と公益法人は、定義・分類上の違いだけでなく、目的や役割にも違いがあります。

公法人の目的・役割

公法人の目的は、行政の機能を補完し、公共サービスを提供することにあります。国や地方公共団体が直接的に行うのが難しい専門性が高い分野の事業、法人として継続的な運営が必要な分野の事業を担います。

例えば、年金制度の運営は公法人の「日本年金機構」が運営主体です。しかし、年金の仕組みや制度設計、法律は国が作っています。そのため、公法人は行政の責任のもとで業務を行い、制度やサービスを代わりに公に提供する役割を担っているのです。

公益法人の目的・役割

公益法人の目的は、民間の立場から社会全体の利益につながる活動を行うことです。国の役割をそのまま引き継いで代わりとなるのではなく、公益のため自主的に事業をする点で異なります。

例えば、国策だけでは不十分な福祉・教育・医療などに対して、啓発や相談、金銭的な給付・貸付などをすることも公益法人の役割です。

公法人と公益法人の設立手続き・監督体制の違い

公法人と公益法人では、設立に必要な手続きや監督体制には以下の違いがあります。

公法人の設立手続き・監督体制

まず公法人は、法律や条例を制定してから法人が設立されます。そのため、一般企業のように、民間から参入して法人を設立することはできません。あくまでも国が目的や役割などに応じて、法律で土台を作ってから公法人が作られます。

ただし、公法人はそれぞれが同じ監督体制に置かれているわけではありません。政府や国会が権限を監督するNHKや日本銀行場合もあれば、地方議会や委員会が監督に参加する独立行政法人のような公法人もあります。

公益法人の設立手続き・監督体制

公益法人は、最初に一般社団法人や一般財団法人として民間から設立した後、公益法人として認められます。その際に、行政から公益法人としての認定を受ける手続きが必要です。設立後は、内閣府や都道府県が事業内容を確認します。

監督体制が設立申請時と同じで一貫しており、公益法人全体に適用されるのは公法人と違う点です。定款や目的を非営利にして必要な手続きすれば、一般法人にはすぐなれるため、普通の企業からでも公益法人に切り替えられます。

公法人と公益法人の会計の違い

公法人と公益法人では、公と民間のそれぞれの立場の違いから根本的に異なります。

公法人の会計

公法人の会計では、個別の法律の基準を確認して会計をする必要があります。これは、予算が法律や条例に基づいて定められ、年度や数年単位ごとに計画的に承認・管理されるためです。民間企業の会計基準は使えず、法令ごとに会計基準のルールに従う必要があります。

公益法人の会計

公益法人の会計は、民間法人としての会計ルールを基礎に「公益法人会計基準」を採用しています。そのため、公法人の独自基準は使えず、民間の通常の基準も使えないのです。そのため、公益法人会計基準で経理処理することが決まっています。過去に民間企業だった法人の場合、公益法人化した後に会計の仕方を改める必要があります。

公益法人向けにおすすめの「WEBバランスマン会計」

公益法人を設立した場合におすすめしたい会計システムが「WEBバランスマン会計」です。

公益法人の会計基準では、改正年にあわせたデータが必要になるケースもあり、それに対応できる「決算書出力」の機能が備わっています。最新の令和6年度会計基準にも対応済みです。

また、電子帳簿作成や電子保存法への対応など可能となり、会計業務に不慣れな経理担当者でも使いやすい会計システムとなります。

公法人と公益法人の違いについてまとめ

公法人と公益法人には、定義や目的、設立手続き・監督体制、会計の仕方などが異なる法人です。民間から自主的に設立できる法人は公益法人だけで、公法人は国などが法律で決めた後の設立となります。特に会計の主な違いは、公法人が個別の法律を基準とし、公益法人は民間の中でも特別な会計基準を使って処理することです。そのため、公益法人を設立して会計業務を進める場合は、会計のルールや基準が変わるため気をつけることが必要です。