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公益財団法人の会計をわかりやすく解説!実務・税務の取扱いについて


2026.02.08

公益財団法人の会計は、公益性の目的に沿った処理が必要です。しかし、株式会社などの一般法人会計とは少し異なります。会計上の区分や扱いなどを含めて違ったものとなります。

そこで、公益財団法人の会計の基本的な考え方から、実務で押さえておきたい会計処理の扱い方までを具体的に紹介します。

公益財団法人の会計とは?

公益財団法人の会計とは?

公益財団法人の会計とは、「公益法人会計基準」等に基づき、資産や収入を経理処理することです。公益法人には一般法人とは異なる公益性を目的とする性質があり、それに合わせた会計の仕訳や区分、説明が求められます。そのため、公益財団法人会計と一般法人会計の違いを十分に理解しておくことが必要です。

公益財団法人会計と一般法人会計の違い

公益財団法人会計と一般法人会計の違いは、公益と一般それぞれの目的や役割にあります。まず、一般法人は会計で利益や損失を把握し、収益を高めることが主な目的です。損失が大きければその部分を改善し、利益性を高める分析や計画を立てます。公益性はあくまでも企業の奉仕活動などが該当します。

一方、公益財団法人の会計は、公益目的事業で資金がどのように使われたのかを明らかにすることが主な目的となっています。また、貸借対照表や活動計算書などの会計書類を用いて、資産や財産の状況を示すことが必要です。公益目的事業が主体となるため、その会計内容も公益目的事業の計算や処理を基本とします。

公益財団法人の会計処理の実務

実務では、事業区分や寄付金の扱いなど公益財団法人の会計処理の具体的な場面に対応する必要があります。そこで重要となる収益の会計区分や寄付金の会計処理について以下に説明します。

公益目的事業と収益事業等の会計区分

公益財団法人の会計実務では、「公益目的事業」と「収益事業等」の会計区分があります。

公益目的事業とは、公益法人認定法に定められる公益目的の要件に該当する事業で、不特定多数の利益につながる活動のことです。公益目的事業に該当するかどうかは、公益財団法人がこれから実施する事業内容に対して、個別に確認が必要です。

一方、収益事業等会計は、対価を得て行う事業などを指します。ただし、公益財団法人の場合は、公益目的事業が主たる活動であることが求められるため、公益目的事業比率が50%以上となることが必要です。そのため、収益事業は補助的な事業となります。

これらを区分して会計処理をすることで、公益目的事業にどのように資金が使われているのかを明確に示し、事業内容や財務状況を分かりやすく説明できるようになります。

例えば、福祉目的で相談会の事業をしたい際にかかった費用や収支があるとします。一般には有料で開催した相談会も同時に開催します。この場合、両方の会計を同じにすると公益目的の説明やお金の使い道が混在して不明瞭となるのです。したがって、公益目的と収益で区分することが公益財団法人の会計で大切なポイントとなります。

参考:公益法人information「公益目的事業のチェックポイントについて」

使途制限付き寄付金の会計処理

次に実務上で押さえておきたい会計処理が「使途制限付き寄付金」です。寄付金の中でも、使い道が指定されているものを使途制限付き寄付金といいます。

公益財団法人では、この使途制限付き寄付金に対して純資産の内訳だけで処理を行います。旧公益法人会計基準では「指定正味財産」で区分して計上していたものです。しかし、その方法では不十分とみなされるようになり、現在は「純資産の部」で内訳や使途の注記で計上する方法に変わっています。

その際に行う振替・再計上は原則不要とする方向へ変更され、純資産の減少(100万円の資産を80万円使って残り20万円)のように、財務諸表などを使い残高管理で処理するのが基本です。自由度の高い「一般正味財産」とわけることで公益性を確保しています。

公益財団法人会計と公益認定基準

公益財団法人の会計は、単なる記帳や決算目的のみではなく、公に資金の使途や内容を説明する役割があります。会計をチェックすることで公益性の確保を把握することが可能です。その活動の認定基準が「公益認定基準」としてあります。ここでは、その公益認定の基準を支える公益目的支出計画の会計上の扱いや収支相償の基準、公益目的財産残額の要件について説明します。

公益目的支出計画の会計上の扱い

1つ目は、公益目的支出計画を提示し、会計処理することです。公益目的支出計画とは、旧民法法人などが一般社団法人・一般財団法人へ移行する際に、それまでに形成した公益目的財産を、将来にわたって公益のために支出する計画のことを指します。

この計画は年単位で計画され、移行時点で算定された公益目的財産額を、公益目的のために支出していく制度です。公益法人会計基準における通常の区分経理とは異なります。

収支相償の基準

2つ目は、収支相償の基準を達成することです。収支相償とは、公益目的事業の収入と支出のバランスが取れている状態のことです。例えば、費用を多く取って収入を多くすれば、肝心の利用者は減り、公益目的から遠ざかります。公益目的では安くして利用者を広げる考え方を採用します。そのため、収入のバランスが相場の適正基準を超えないことが必要です。数値で定められているわけではなく、例えば、基準に達しないケースを個別に判断します。計画性があり、公益目的を説明できることが収支相償の基準です。

公益目的財産残額の要件

3つ目は、公益目的取得財産残額の要件を満たすことです。公益目的取得財産残額とは、公益財団法人が所有する財産の中で、将来的に公益目的で消費する財産の残りのことです。使用予定の有無に関係なく、まだ使われていない財産残額の状態を指します。

会計処理では、公益目的取得財産残額がどの事業に使われ、どの程度減少したのかを明確にするために管理するものです。

公益財団法人会計の税務・監査

公益財団法人会計の税務・監査

公益財団法人会計は、税務やその監査を受けて、適正な処理がされているかをチェックされます。以下に、実務で理解しておきたい収益事業の法人税や消費税の扱いについて説明します。

収益事業に係る法人税の取り扱い

公益財団法人の収益事業には、法人税が課されます。公益目的事業には課税されませんが、収益事業は法人税を取るルールです。収益事業には、代表的なものとして物品販売や有料サービスの提供があります。その事業で得た利益は、一般法人と同様に法人税の計算対象です。公益目的事業とは区別して会計処理を行う必要があります。

公益財団法人の消費税の扱い

公益財団法人の消費税については、法人税とは別に、消費税法上の扱いで会計上は処理されます。消費税がすべて免除となる一部の特例の場合でも、それは消費税法の免税事業者扱いにすぎません。公益目的事業は法人税が非課税でも、そこで発生した売上は課税されることがあるのです。正確な課税額や会計処理は複雑なため、課税売上高(1000万円基準)や控除などを踏まえて計算を実施します。

公益財団法人にはWEBバランスマン会計がおすすめ

公益財団法人の会計処理には、公益法人限定の会計ソフト「WEBバランスマン会計」がおすすめです。公益財団法人は、一般企業とは異なり、公益目的事業会計・収益事業等会計・法人会計といった区分経理や、公益目的事業比率・収支相償・注記による情報開示など、専門的な対応が求められます。これらを手作業や一般的な会計ソフトで管理するのは、担当者の負担が大きくなりやすいです。

WEBバランスマン会計は、公益法人会計に特化して設計された会計ソフトのため、公益財団法人の実務にフィットしやすいでしょう。区分経理を前提とした勘定体系や帳票設計になっており、日々の仕訳を入力するだけで、公益法人特有の財務諸表や内訳管理が可能など、効率的に会計業務を進められます。

まとめ

公益財団法人の会計は、公に資金や財産の使い道や流れを数字で見える化して説明するための処理方法です。公益財団法人は公益性を示す必要があり、公益認定基準を満たしていることなどが基準として求められます。制度をよく理解した上で会計処理を行うことで、公益性の確保と実務の適切な対応が図れます。