公益法人には、状況に合った税理士選びが欠かせない存在です。
税金や会計の扱いを誤ると、支援や信頼に思わぬ影響が生まれます。
この記事は、公益法人が税理士に頼める内容や基本的な注意点などを解説します。
公益法人で税理士を依頼したい場合や、公益法人の税理士として活躍したい方は、ぜひ参考にしてください。
公益法人が税理士に依頼できる業務内容

公益法人が税理士に依頼できる業務は申告作業以外にも多岐にわたります。
ここでは、日常の相談から調査対応まで、主なサポート内容を解説します。
税務顧問・日常会計などのサポート
税務顧問契約を結ぶと、日常の疑問を気軽に相談できます。
仕訳の切り方や勘定科目の使い分けを、その都度確認できて安心です。
寄付金や会費、助成金など、公益法人特有の取引も扱いが分かれます。
社内で判断が割れた場合も、第三者の専門家が基準を示してくれます。
メールやオンライン会議での相談に対応する税理士も増えており、気軽に相談ができる存在です。
決算・申告業務
決算や申告では、まず会計帳簿を整理し、数字の精度を高めます。
貸借対照表や損益計算書の作成を支援し、必要な注記も整える役割です。
法人税や消費税、地方税の申告書も公益法人の区分を踏まえて作成します。
申告期限から逆算したスケジュールを組み、提出漏れのリスクを抑えます。
決算期に作業が集中しないよう、平時から準備を進めるアドバイスも受けられるでしょう。
公益目的事業・収益事業の区分と税務処理のサポート
公益目的事業か収益事業かで、課税の有無や範囲が大きく変わります。
税理士は事業の内容や契約条件を丁寧に聞き取り、性格を整理する存在です。
そのうえで、どの活動を非課税とみなし、どこからを課税対象とするかを検討します。
収益事業に該当する部分は、帳簿上も別枠で管理する必要があります。
税務調査・指導監査への対応支援
税務調査や指導監査では、過去の処理方針や説明資料が問われます。
税理士がいれば、事前に指摘されやすい論点を洗い出せます。
必要な帳票や契約書をリスト化し、整理の順番まで一緒に考えてくれます。
当日の調査には同席し、質問への答え方や資料の出し方もサポートしてくれるのが税理士です。
調査後の是正対応や、今後の改善策の整理まで伴走する税理士も多いでしょう。
予算策定・資金計画・ガバナンス強化へのアドバイス
中長期の運営を安定させるには、予算や資金計画の設計が欠かせません。
税理士は過去の実績や今後の事業計画を踏まえ、現実的な予算案を一緒に組み立てます。
事業ごとの収支見込みや資金繰りの流れを整理し、急な資金不足を避ける手助けをします。
理事会や評議員会で説明しやすい資料の形に整える支援も可能です。
内部統制の仕組みや承認フローの見直しを通じて、ガバナンス強化にも貢献してくれるでしょう。
公益法人の税理士を選ぶポイント

公益法人の税理士選びでは、誰に任せるかで負担や安心感が大きく変わります。
ここでは、初回相談や見積もりの段階で着目したい判断材料を解説します。
案件実績がある税理士かを確認する
まずは、どのくらい公益法人を担当してきたかを確認しましょう。
扱った法人の数だけでなく、何年くらい継続して関わったかも確認してみてください。
その際は、自法人と近い分野や規模の支援経験があれば、状況を理解しやすいでしょう。
認定の有無や複数拠点の管理など、過去の具体例も質問すると判断しやすくなります。
申告や調査の場面で、過去の経験値の差が安心感に直結します。
公益法人の会計・税務への理解力や提案力を確認する
面談では、最近の制度改正や公益法人特有の論点をどう見ているかを聞きます。
これは、質問への答え方から理解の深さと説明の分かりやすさが見えてくるからです。
単に処理方法を伝えるだけでなく、運営の改善案まで話が広がるかも重要です。
自法人の課題を伝えたときに、具体的な打ち手がどれだけ出てくるかも確認してみてください。
コミュニケーションの円滑さを確認する
税理士とは、長く付き合う前提で考えるほうが安心です。
そのため、話しやすさや相性も重視したいポイントになります。
そこで、メールやチャットへの返信の早さや、オンライン面談への対応もチェックします。
専門用語をかみ砕いて説明してくれるかどうかも、大切な判断材料です。
報酬体系や総合的な費用を確認する
顧問料だけでなく、決算料やスポット相談料の有無も確認が必要です。
どこまでが基本料金に含まれるかを明確にしておくと、後々の認識のずれを防げます。
追加作業が発生した場合の単価や、見積もりの前提条件も聞いておくと安心です。
金額だけで比べるのではなく、得られる安心感や将来のリスク削減まで含めて考えるとよいでしょう。
長期的な付き合いになったときに納得できる水準かどうかも意識して選んでみてください。
公益法人の税理士の仕事内容や年収・キャリアアップ
公益法人を担当する税理士は、一般企業とは違う視点で支援します。
仕事内容や年収、今後のキャリアを押さえると、自分に合う働き方を選びやすくなるでしょう。
主な仕事内容とやりがい
公益法人を多く担当する税理士は、日々の会計処理を確認しつつ決算に備えていきます。
寄付金や助成金の動きを整理し、法人側に分かりやすく説明するのが役割の一つです。
理事会や評議員会に同席し、数字の背景をかみ砕いて伝える場面もあります。
社会的な目的を持つ事業に関わり、貢献を実感しやすい点が大きな魅力です。
年収相場
厚生労働省の統計をもとにした推計では、勤務税理士の平均年収はおよそ750万〜850万円です。
会計事務所に勤務する税理士有資格者は、600万〜800万円台が一つの目安とされています。
公益法人を中心に担当する場合も、この相場を基準にしつつ、経験や役職で差が出ます。
マネージャーやパートナーになると、1000万円前後からそれ以上を目指す例も見られるでしょう。
代表的なキャリアアップ
多くの税理士は、まず一般法人とあわせて公益法人を担当し、比率を高める形で経験を積みます。
その後、公益法人チームのリーダーやマネージャーとして、組織内で役割を広げる道が一般的です。
公益法人の経理や財務部門に転じて、内部から運営を支える人もいます。
公益法人専門の税理士としての注意点
公益法人に専門特化すると、市場規模や案件数の影響を受けやすい面があります。
制度改正や通達の変更も多いため、継続したインプットへの投資が欠かせません。
中長期で安定した収入を目指すなら、他分野の経験も組み合わせる発想が役立ちます。
公益法人の会計や税務の処理なら「WEBバランスマン会計」
WEBバランスマン会計は、公益法人に特化した会計システムです。
クラウドでの利用も可能なので、インターネット環境があればどこからでも利用できます。
予算管理や伺書入力、按分処理など公益法人ならではの業務を標準機能でカバーし、決算書類の出力まで対応しているシステムです。
人事給与や固定資産管理などのシステムとの連携で、処理をスムーズに行えます。
権限設定やSSLによる保護により、会計データを安全に扱いたい法人にも向いているでしょう。
16/20年会計基にも対応しており、基準改正への不安がある法人も検討しやすいシステムといえます。
まとめ
公益法人の税理士は、日常の会計から決算、調査対応まで長く伴走する専門家です。
どの業務を頼みたいか、どこまで任せたいかを整理すると、選び方がぶれにくくなります。
案件実績や専門性に加え、説明の分かりやすさや連絡のしやすさも比較して選んでみてください。
税理士側にとっても、公益法人は社会貢献と専門性の両方を高めやすいフィールドでしょう。
本記事を参考にし、公益法人の税理士選定やキャリアの選択に活かしてみてください。
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