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電子帳簿保存法の届出は必要?提出方法も解説


2025.12.12

電子帳簿保存法では、届出が必要になる場合があります。特に、優良な電子帳簿の作成を目指す法人や個人にとっては、十分に押さえておきたいポイントです。そこで本記事は、電子帳簿保存法の届出とは何かを整理し、必要なケースの提出方法や提出の流れを解説します。

電子帳簿保存法の届出とは?

電子帳簿保存法の届出とは?

電子帳簿保存法の届出とは、税務署長に「帳簿・書類を電子保存する」場合や「特例の措置を申し出る」場合に、届出書を提出することです。

電子帳簿保存法では、法令の改正前に適用されていたルールとして特別な「届出」が必要とされた過去があります。そのため、多くの法人や個人にとって電子帳簿保存法の「届出」とは、書類の電子保存に必要な「税務署への事前承認」のことです。

電子帳簿保存法の届出が必要なケース

電子帳簿保存法には、届出が必要な場合と不要な場合があります。届出が必要なケースは以下の5つが代表的です。

  • 優良な電子帳簿(過少申告加算税の軽減措置)を受けるために「特例適用届出書」を提出する場合
  • 個人が年の途中で業務を開始し、初年度から軽減措置を受けるために「特例適用届出書」を提出する場合
  • 優良な電子帳簿の要件でシステムを大幅に変更した際に「変更届出書」が必要な場合
  • 旧スキャナ保存の承認から新要件(令和4年改正後)移行で承認の「取りやめ届出書」が必要となる場合
  • 過去分重要書類をスキャナ保存する際に「適用届出書」が必要となる場合

例えば、優良な電子帳簿で軽減措置を受ける場合は、「特例適用届出書」を提出します。これは訂正履歴や検索機能などの法的要件を満たしていることを税務署に示すための書類です。

個人事業主が年の途中で事業を開始した場合には、初年度から過少申告加算税の軽減措置を受けるために「特例適用届出書」を提出します。翌年以降に再度軽減措置を受けるための再提出もその1つです。

また、優良な電子帳簿の運用中に、会計ソフトや保存システムの大幅な変更を行う場合には、「変更届出書」が必要です。基本的にシステムや仕組みの変更がある際は、速やかに届け出ることが求められます。

それから、法改正後の新要件に移行する場合です。旧スキャナ保存の承認を受けていた法人は、「承認取りやめ届出書」の提出が必要となることがあります。これは、従来の承認制度から新しい保存方法に切り替える際、税務署に現状の運用状況を報告する届出書です。

既に受領した過去分の請求書や領収書など重要書類をスキャナ保存したい場合は、「適用届出書」を提出することで、過去分も含めて電子保存が正式に認められます。

一方で、届出が不要なケースは、帳簿・書類を電子保存するときです。これらは届出制が廃止され、要件を満たしたら自動的に保存書類として認められます。

以前は届出の書面を提出して許可が出たら電子保存が可能というプロセスがあったことです。したがって、2025年現在は届出そのものが不要です。

電子帳簿保存法の届出書の提出方法

電子帳簿保存法には、主に3種類の届出書があります。

  • 「特例適用届出書(適用届出書)」
  • 「変更届出書」
  • 「承認取りやめ届出書」

いずれも納税地を所轄する税務署長へ提出する書面です。法人なら本店所在地、個人なら住所地の税務署が提出先になります。

提出方法は以下の3つです。

1.書面で持参提出
2.書面の郵送
3.e-Tax(電子申請)で提出

電子帳簿保存法の届出書は、紙の書面を使わない場合にe-Taxで提出が可能です。また、提出の期限は届出の種類によって異なります。特例適用届出書は法定申告期限まで、変更届出書は、システム変更などがあった際に速やかに、承認取りやめ届出書(旧スキャナ保存)は、原則、新要件で保存を始める日の前までです。

届出書は、税務調査で確認されるため7年間保管しておくことが必要です。

以上から全体の流れとしては、以下の3つの手順となります。

1.提出すべき届出書を確認する
2.届出書の様式を入手して記入する
3.提出方法を選んで提出する(控え保管)

優良な電子帳簿の利用か、システム変更か、スキャナ保存承認の取りやめかによって、提出する届出書が変わります。そして、届出書の様式は、国税庁のサイトや税務署窓口で取得が可能です。

電子帳簿保存法の対応には会計ソフトの導入がおすすめ

電子帳簿保存法の対応には会計ソフトの導入がおすすめ

会計ソフトを利用すると、電子帳簿保存法にスムーズに対応できます。ここからは、おすすめの会計ソフトを紹介します。

WEBバランスマン会計

WEBバランスマン会計は、公益法人会計基準に準拠した帳簿作成や経理処理ができる公益法人向けの会計ソフトです。電子帳簿保存法に対応する機能もあり、検索要件のデータ管理やファイル添付による証憑管理、ダウンロード・出力への対応などができます。

経理の知識がない方でも、スムーズに操作できます。ソフトのインストールや設定は不要で、インターネット環境があればどこからでも利用可能です。

freee 会計

freee会計は、クラウド型会計ソフトの中でも使いやすさに優れた、電子帳簿保存法対応の会計ソフトです。証憑(請求書・領収書など)の電子データを会計取引に添付できるため、「真実性・可視性」の要件をクリアできます。

特に中小企業や個人事業主にとっては、経理初心者でも扱いやすいのが特徴です。さらに、e-Taxとの連携や仕訳の自動化機能もあり、電子保存の書類を扱えます。

マネーフォワード クラウド会計

マネーフォワード クラウド会計は、個人から法人まで幅広く機能を備えた、改正電子帳簿保存法に対応できる会計ソフトです。

紙・電子を問わず受領証憑の添付・管理がスムーズで簡単に操作できます。特に「クラウド経費」「クラウド債務支払」との連携で、経費精算や請求書管理を容易に行えます。JIIMA認証の取得実績もあり、法令要件に安心して対応でき、法改正への自動アップデートもあって安心です。

電子帳簿保存法の届出についてまとめ

電子帳簿保存法の届出は、書類を保存する場合に提出する必要がありません。しかし、特別な届け出の要件がある場合には、税務署へ届出書を提出する必要があります。提出方法や提出の流れを押さえて、届出にも対応することが求められるのです。