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会計ソフトは経費になる?理由と経費にする際の注意点


2025.10.20

事業を運営するうえで欠かせないのが「経費の管理」です。日々の取引や出費をどのように処理するかによって、決算の正確さや税務申告の効率が大きく変わります。
最近では多くの事業者が会計ソフトを導入し、手作業の記帳からデジタル管理へと移行しています。では、その会計ソフトの利用料や購入費用は経費に計上できるのでしょうか。

本記事では、会計ソフトが経費になるかどうかの仕組みや処理のコツ、経費管理に役立つおすすめの会計ソフトについて詳しく解説します。

会計ソフトは経費になる?

日々の経理業務を効率化するために導入される会計ソフトですが、その利用料や購入費用は「経費」として計上できるのか気になる方も多いでしょう。結論からいえば、会計ソフトは事業に関連して利用している場合、経費として処理することが可能です。

例えば、個人事業主が青色申告を行うためにクラウド会計ソフトを契約している場合、その月額利用料は「通信費」や「ソフトウェア利用料」として経費に含めることができます。法人であれば、会計処理や決算書の作成を効率化するためのシステム利用料は「支払手数料」や「ソフトウェア償却費」として処理されるケースが一般的です。

また、ソフトを一括で購入した場合とサブスクリプション契約した場合とで、仕訳や会計処理の扱いが異なる点にも注意が必要です。一括購入は資産計上し、法定耐用年数に基づいて減価償却するのが基本となります。一方でクラウド型の月額課金であれば、その都度の利用料として経費に落とすことができます。

要するに「事業に必要なソフトであるかどうか」が判断基準となるため、プライベート利用や個人的な趣味のために導入したソフトウェアは経費にできません。実際の会計処理は税理士や会計担当者と相談しながら進めるのが安心です。

会計ソフトを経費にするときのコツ

会計ソフトを経費として正しく処理するためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。これを理解しておくことで、税務調査の際に不備を指摘されるリスクを減らし、スムーズに申告を行うことができます。

利用形態に応じた処理をする

会計ソフトにはクラウド型の月額利用料と、一括購入型のインストールソフトがあります。クラウド型は「月額費用」として経費計上できますが、一括購入の場合は固定資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却を行わなければなりません。ここを誤ると処理が適切でないと判断されることがあるため注意が必要です。

領収書や契約書を保存しておく

ソフトの利用料を経費として申告する場合、支払いを証明できる書類を保管しておくことが大切です。クラウド型であれば利用料の請求書やクレジットカード明細、一括購入型であれば購入時の領収書などをきちんと保存しておきましょう。電子帳簿保存法の改正に伴い、電子データでの保存も認められていますので、クラウド上で管理する方法も有効です。

個人利用との区分を明確にする

特に個人事業主の場合、業務利用とプライベート利用が混在してしまうことがあります。たとえば、家計簿用の利用や趣味のための管理には会計ソフトを経費計上できません。業務で利用している範囲を明確にし、事業用口座から支払うなど、経理処理を分けておくとトラブルを防ぐことができます。

給付金や控除の対象を確認する

一部の会計ソフトの利用料は「IT導入補助金」や教育訓練給付制度の対象になる場合があります。導入コストを下げられる制度を活用すれば、経費としての扱いに加えてキャッシュフロー改善にもつながります。

経費を管理できる会計ソフト3選

経費を正しく処理するためには、日々の仕訳や証憑管理をスムーズに行える会計ソフトの導入が欠かせません。ここでは、特に経費精算や帳簿管理に強みを持つソフトを3つ紹介します。

弥生会計オンライン

弥生会計オンラインは、中小企業や個人事業主に広く利用されているクラウド型会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードと連携できるため、経費の入力作業を大幅に削減できます。また、青色申告決算書や法人決算書も自動作成できるため、税務申告の効率化に直結します。初心者でも直感的に操作できるUIも魅力の一つです。

freee会計

freee会計は、スマートフォンからでも経費登録が可能な点が強みです。領収書をスマホで撮影するだけで自動的に仕訳されるため、経費精算の手間を大幅に削減できます。リアルタイムで経営状況を把握できるダッシュボード機能もあり、クラウドならではの利便性を活かしたサービスとなっています。特に経費管理をスピード重視で行いたい事業者におすすめです。

公益法人向けWEBバランスマン

公益法人や一般社団法人向けに設計された会計ソフトが「WEBバランスマン」です。公益法人特有の会計基準に対応しており、補助金や寄付金を含む複雑な経費管理もスムーズに処理できます。

さらにクラウド上で運用できるため、複数の担当者が同時に作業できる点もメリットです。公益法人の経理担当者にとって、法令遵守を維持しながら経費を正確に処理できる強力なツールといえるでしょう。

会計ソフトの経費についてまとめ

会計ソフトは、事業に関連して使用しているものであれば経費として計上できるため、業務効率化と節税対策の両面で役立ちます。クラウド型のサブスクリプションサービスであれば利用料をその都度経費に落とすことができ、一括購入型のソフトであれば資産計上して減価償却するのが基本です。いずれの場合も領収書や契約書を適切に保存し、事業利用であることを明確にしておくことが大切です。

また、経費を管理する会計ソフトは多様化しており、弥生会計オンラインやfreee会計のように一般事業者向けのものもあれば、公益法人向けに特化した「WEBバランスマン」のように特定の法人形態に合わせて設計されたものもあります。自社や自分の事業形態に合ったソフトを選ぶことが、経費管理をスムーズにし、法令遵守を徹底するための第一歩です。

会計ソフトの導入は単なる経費処理だけでなく、資金繰りの把握や将来の経営計画にも直結します。適切に経費処理を行うことで、節税効果を得るだけでなく、透明性の高い経営を実現できるでしょう。今後も法改正やデジタル化の進展に伴い、会計ソフトの役割はますます大きくなります。事業の規模や目的に応じた最適なソフトを選び、効率的な経費管理を実践することが重要です。