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2014年02月01日 セミナーリポート

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消費税の特例措置の対象となる寄付金

2014年02月14日 更新

今回、消費税法施行令の一部を改正する政令(平成25年政令167号)により、募集要項等(行政庁の確認を受けたものに限る。)においてその全額の使途が課税仕入等以外に限定されているものについては特定収入から除外されることとされました(消費税法施行例第75条第1項第6号)

これはいったい何を言っているのでしょうか?
順を追って見ていきたいと思います。
まず、ものすご~く簡単に説明すると納税する消費税を算定する際は
『課税売上の5%から課税仕入れ5%を引いた額』
が納税額になります。
例えば売上210円、仕入105円の場合なら
(210x5%=10) - (105円x5%=5)=消費税額5円
ということになります。

ところが公益法人等の場合は財源が会費や補助金や寄付金などの不課税の収入であることが多いです。
売上(収入)は不課税であるにもかかわらず、事業活動を行う上で仕入(支出)は課税仕入れで処理するとなると引く方ばかりが膨らんでほとんどの公益法人等は消費税を納めなくてもよくなってしまいます。
例えば売上105円、寄付金200円。消耗品費(仕入れ)105円の場合なら
寄付金は不課税なので
(105x5%=5) - (105円x5%=5)=消費税額0円
となってしまいます。
そこで、これはまずいでしょう、ということでそれら会費や寄付金等を「特定収入」としそれによって賄われる課税仕入れの部分は上記の納税額の計算の際に引いてはいけない、という特例が設けられています。
上の計算で寄付金によって消耗品全部を購入していた場合はその分を引いてはいけないことになるので、
(105x5%=5) - (105円-(控除不可105円)x5%=0)=消費税額5円
となります。

法人としてはなるべく不課税の収入が特定収入に該当しない方が納税額は少なくてすみます。
そこで、今回の措置はより公益法人を優遇しましょう、ということで一定の要件を満たした寄付金に関しては特定収入としなくてもよいですよ、というものです。
その要件というのが、
①寄付金を募集する主体が公益法人であること
②寄付金が特定の活動に係る特定支出であること。
ここでいう特定支出とは
・課税仕入れに係る支払対価に係る支出
・課税貨物の取引価格に係る支出
・借入金等の返済金又は償還金に係る支出
ですので、対価性のない助成金や寄付金での支出ならOKということになります。
ただし、活動の時期や内容が具体的であることや管理費に使用されるものはNGとされています。
③寄付金が期間を限定して募集されていること
法人の活動に賛同した方は寄付をしてくださいといった常に募集している寄付金は該当しないということです。
④寄付金が他の資金と明確に区分して管理されていること
ここでの明確な区分とは
・寄付金の専用口座
・指定正味財産への計上
を意味します。
⑤寄付金を受け入れる前に行政庁の確認を受けること
公益infoから手続き可能です。

と、見ていくとおそらく上記の要件にそのまま該当する寄付金を扱っている法人というのはほとんどないのではないでしょうか。
イベントを行うのに寄付を募るにしてもただ単に「来年イベントをやるので寄付、お願いします」では該当しないことになります。
「①公益法人です。③来年8月にやる②公益目的事業でやるイベントの臨時スタッフの人件費(不課税)に充てるために寄付、お願いします」
そして集めた寄付金は④の要件で区分経理をし、事前に⑤行政庁の確認を受けることとなります。
これでやっと特定収入に該当しない寄付金とすることができます。

この制度を活かして寄付金を募集するか否かは、寄付金の額(優遇される税額)と使途の制限や区分経理・行政庁への確認といった手間(デメリット)との兼ね合いになると思われますので、寄付を募集している法人様、もしくは募集を予定している法人様は事前に十分な検討が必要になるかと思います。

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